○議長(
明戸真弓美君) 異議ないものと認めます。議案第四十二号は
委員長報告どおり決定いたしました。 日程第五、議案第四十三号、
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。 ――
―――――――――――――◯―――――――――――――――
△議案第四十三号
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 (
委員長報告)
○議長(
明戸真弓美君) 本案に関しては、文教・
子育て支援委員会中島義夫委員長より委員会の審査経過並びに結果の報告があります。 〔中島義夫君登壇〕
◆十五番(中島義夫君) 付託を受けました議案一件につきまして、委員会の審査経過並びに結果の御報告をいたします。 本委員会は、付託を受けました議案第四十三号、
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について、理事者より説明を受けた後、審査に入りました。 審査に当たっては、委員より、職員のモチベーションへの影響、職員団体との妥結の有無及び今後の課題、対象となる職員数と職層構成の内訳、
私立幼稚園の影響への有無などについて質疑がありました。 その後、討論に入り、
給与引下げは社会全体に与える影響が大きいが、既に職員団体と妥結しており賛成、今後も職員の質の確保を継続し、同一労働・同一賃金の考え方を区が率先して取り組んでいくことを要望するとの意見があり、委員会は
原案どおり決定いたしました。 以上、御報告といたします。
○議長(
明戸真弓美君) 議案第四十三号、
幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について、ただいまの
委員長報告に御質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
明戸真弓美君) 質疑はないものと認めます。 討論に入ります。 討論はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
明戸真弓美君) 討論はないものと認めます。 議案第四十三号について、
委員長報告に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
明戸真弓美君) 異議ないものと認めます。議案第四十三号は
委員長報告どおり決定いたしました。 日程第六、一般質問について。 ――
―――――――――――――◯―――――――――――――――
△一般質問について
○議長(
明戸真弓美君) 一般質問の通告がありましたので、順次発言を許可いたします。 十五番
中島義夫議員。 〔中島義夫君登壇〕
◆十五番(中島義夫君) 自由民主党の中島義夫でございます。
子年生まれの私が還暦を迎えることができました。この貴重なときに代表質問の機会をいただきました。自民党の議員の皆様に心から感謝申し上げます。 それでは、質問に入ります。区長をはじめ
関係理事者におかれましては、積極的な答弁をお願いいたします。 区長五期目の区政運営について。 十一月八日に行われました区長選挙におきまして、西川区長、五期目の御当選、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。 これは、コロナ禍の中、国会議員や
都議会議員を歴任された経験豊富な西川区長でなければ、うまく乗り越えることができないという区民の期待と願いが込もった結果であり、西川区長の手腕が問われる四年間になると思います。 さて、今年は一月に
新型コロナウイルスが発生し、夏が過ぎ、秋になり、少しは収まるかと思われましたが、
ヨーロッパなどでは第二波から第三波の感染が広まり、なかなか収束は難しく、
コロナ対応で一年が終わろうとしています。そして、コロナにより経済指標の悪化が続き、二〇二〇年四月から六月期の
実質GDPは、年率換算でマイナス二七・八パーセントと戦後最悪を記録し、今年六月の
国際通貨基金の
経済見通しは、アメリカの二〇二〇年の
実質GDP成長率はマイナス八パーセント、ユーロ圏はマイナス一〇・二パーセント、日本はマイナス五・八パーセントと予想しています。この
コロナ危機によって、日本は
中小零細企業の経営危機や非正規雇用の雇止めにさらされており、緊急的な
中小企業対策や雇用対策の必要性から財政支出の拡大は避けられない状況であります。 そして、世の中が自粛などで活動を極力控える生活が続き、経済も人とのつながりも冷え切り、戦後最悪の年となったわけであります。しかし、手をこまねいているわけにもいかず、とにかく物事を前に進めなければなりません。
コロナ対策では、取りあえずの緊急措置は行われましたが、コロナ禍が今すぐ収束することは難しく、長引くことが想像され、
緊急的単発な支援対応でなく、持続的な施策や支援にシフトチェンジしていかなければ、身近な区民も安心して生活していけないわけであります。 しかし、そうはいっても、経済が冷え切り、今後は区の財政面にしても、かなり厳しい状況になり、これからの数年は我慢するところは我慢をして、上手にやり繰りしていかなければ財源が不足し、ない袖は振れない状況に追い込まれるわけであります。 まず人間の生命に直接関わるソフト面の支出は極端に削減することは難しく、上手に配分を考えなければならないと思われます。一方、二、三年我慢すれば何とかなる補修や改修などのハード面は、極力支出を抑えながら対応していかなければ、財源が足らなくなるのは明白であり、区の各所管に対し、前年度と同様の予算を配分する方向から、前例のない思い切った予算配分も視野に入れなければならず、たとえ予算を削減されたとしても、へそを曲げず、コロナ禍の中、区の一員として協力する姿勢が求められるわけであります。
少子高齢化対策、災害対策、施設・インフラの
老朽化対策、
子どもたちの成長を支える環境整備、まちづくりなど、多くの財政負担を伴う課題が待ったなしの状況にあります。財政状況が急激に厳しさを増す見通しの中で、これらの課題を着実に前進させるためには、各分野の事業について継続的に見直しを行うとともに、従来の方法や既成概念にとらわれることなく、新たな発想を持って
最大限創意工夫を凝らした事業展開が求められています。 これらの難題に対し、これまで以上に区と議会側で一丸となり、協力し合いながら進めていかなければならないと考えております。改めてこうした点について、西川区長の御所見をお伺いいたします。 次に、
新型コロナウイルス感染症対策について。 初めに、
インフルエンザの同時流行に備えた医療体制の確保ですが、まず初めに、
新型コロナウイルス感染拡大の中、医療現場において命がけで御尽力いただいております方々に心から感謝申し上げます。 それでは、本題に入ります。
新型コロナウイルスの猛威はとどまることを知らず、今月に入り、全国規模で新規の感染者数が急増し、都では第二波と言われた七月から九月に続き、警戒レベルを「感染が拡大している」とする最大に引き上げるなど、まさに第三波が到来している状況です。 我々が少しずつ安心感を取り戻しつつある時期を狙って、そして、季節の変わり目に感染が拡大しているような印象を受けます。夏よりも冬のほうが
新型コロナ感染力が持続するというアメリカの
国土安全保障チームの報告もなされており、実際、
ヨーロッパや北海道などいち早く冬が訪れている地域で感染が拡大している状況を見ると、この冬の対策はとても重要になってまいります。 国では、
新型コロナウイルス感染症と
季節性インフルエンザの同時流行による発熱患者の増加に備え、診療・
検査医療機関の指定制度を設け、発熱症状がある人は
かかりつけ医など身近な医療機関で診療や検査を受けることができる体制の整備を進めています。 都内では、三千か所程度が指定されたと言われていますが、区内の指定状況はどういう状況でしょうか。現時点において、具体的な医療機関の名前は公表されておりませんが、区民がより分かりやすい形で、また、利用しやすい形で医師会と十分連携し、円滑な診療・検査体制につなげていってほしいと思います。 我が自民党では、こうした新たな医療体制に迅速かつ円滑に移行していくために、国としっかり連携を図りながら、区としても、より実効性の上がる支援の実施を強く要望し、区では、それを真摯に受け止め、今回の補正予算の中に反映していただきました。 間近には年末年始も控えています。区民が安心して、いざというときに頼れる受診体制を確保するとともに、区民が
コロナウイルスに感染した場合は、自宅待機では
家庭内感染拡大となりますので、確実な療養場所を国が、都が当てにならなければ、区独自でも確保してほしいと思いますが、改めて区の認識をお伺いいたします。 次に、
定期予防接種・定期検診の受診勧奨について。 現在、予防接種は乳幼児や
高齢者向けに行われています。
乳幼児向けの予防接種としては、BCG、麻疹、風疹など様々なものがあると思います。へその緒を通じて母親からの免疫が徐々になくなり、感染にかかりやすくなる年齢を考慮して、それぞれ接種の時期が決められていると聞いています。 九月の決算に関する
特別委員会でも取り上げさせていただきましたが、
定期予防接種を受けることは、不要不急という位置づけのものではなく、子どもの健康に大きく関わるものであり、決められた時期にしっかり接種をしていくことが何より大切だと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大により、保護者の接種控えのような心理が働いているのではないでしょうか。接種の意義をしっかりと伝え、
感染防止対策を万全にしながら、接種につなげていってほしいと思います。 同様のことは、定期検診にも言えます。死亡原因の最大要因であるがんには、今や二人に一人がかかり、三人に一人ががんで死亡する時代であると言われています。医療技術の進歩により年々生存率が向上してはいますが、進行してから見つかると治りにくく、治療による体への負担も大きくなるとも言われております。 がんを早期発見し、早期治療につなげていくには、定期的な検診を受けてもらう必要があります。
緊急事態宣言の時期に休止していたがん検診を再開して以降、区民の検診の受診状況はどうでしょうか。報道等によれば、検診を控えるという方が多いと言われております。
新型コロナウイルスの感染の再拡大期に入り、区も医療機関も対応が難しい状況にありますが、万全の
感染防止対策を講じながら、よいタイミングで検診の受診につなげていってほしいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、コロナ禍における
フレイル等の予防に関してお伺いいたします。 まず質問に入る前に、
感染リスクに対する不安などを抱えながら、日々介護や障がい福祉などの業務に尽力されている職員の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。 今、区内では、福祉施設でも
新型コロナウイルスの感染事例が断続的に報告されてはいるものの、幸いに大きなクラスターの発生には至っていませんが、
重症化リスクが高いとされている高齢者や障がい者などの生活を支えている福祉施設の職員の皆さんがいかに
感染防止対策に力を尽くされているのか、想像するに余りあると考えております。 こうした頑張りに報いるため、我が自民党では、七回にわたり区に提出してきた緊急要望の中でも様々な支援対策を提案し、具体的な支援につなげてきました。今回の補正予算にある福祉施設の職員や入所者などに対する
PCR検査の実施もその一つであり、国や都と連携し、必要な方々への検査を進めていってほしいと思います。そして、今後も福祉施設においてはしっかりと
感染予防対策を続けていただき、
万が一感染が発生した場合でも、その拡大を防げるよう、保健所や区を含めた迅速かつ適切な対応をお願いいたします。 さて、
コロナウイルスの感染が拡大する中では、日常的な活動を自粛することが多くなり、虚弱の状態、いわゆるフレイルが進んでしまったり、認知症が進行したりと高齢者の健康などに深刻な影響が出ていると多くの見識ある人が指摘をしています。こうしたフレイルや認知症の進行を予防することは、
定期予防接種や定期検診を受けることと同様、コロナ禍においても必要不可欠の取組であると考えます。 私は、これまでも
認知症対策、高齢者の自立支援など、地域で自立した生活を送っていただけるよう、区議会の場でも毎年質疑を続けてきました。しかし、このたびのコロナ禍によって、高齢者が地域で自立した生活を続けていくための
フレイル予防対策として重要な位置を占めていたサロンなどの集いの場やころばん体操などの活動の場が縮小せざるを得ない状況となっています。実際に足腰の筋肉が弱り、転倒し、介護が必要になったり、認知機能が低下して認知症の治療が必要になったという区民の相談も受けているわけであります。 コロナ禍において、感染予防が重要なことは言うまでもありません。とはいえ、感染を予防しながら、フレイルや認知症の進行を予防していくことも同じくらい重要なわけであります。
コロナ感染の今後の見通しが極めて不透明であり、重症化の
ハイリスク者である高齢者のフレイルなどの予防と感染拡大の防止を天秤にかけながらの取組となりますので、かなりの困難を伴うことではありますが、しっかりと検討し、様々な工夫を凝らしながら進めていただき、引きこもって病気になっては元も子もないわけであり、きめ細かく対応できる基礎自治体だからこそ、高齢者お一人お一人ができることから始められるよう、区として取り組めることがあると思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、多様な働き方を踏まえた
子育て支援について。
新型コロナウイルスは、我々が長年慣れ親しんだ働き方と生活様式にも大きな変化をもたらしています。定時に出社して仕事をすることは常識でなくなり、時差出勤や在宅でパソコンなどを使っての
テレワークが急速に普及しており、多くの企業が可能な限り
テレワークの実施を決めました。 都の調査によれば、今年六月時点で社員が三十人以上の都内企業の六割近くで
テレワークを導入してはみましたが、一方で、
東京商工会議所の調査では、導入した企業の三割で導入を取りやめたという結果もあり、取組の難しさを物語っております。 一般的に
テレワークのメリットとしては、非常時の事業継続、通勤や勤務時間の削減、育休や介護中の
従業員対応など、危機管理や働き方改革の面が挙げられています。 一方で、デメリットとしては、コミュニケーションの難しさや業務の生産性が挙げられています。また、ある民間調査によれば、
テレワーク経験者の約半数の夫婦が夫婦げんかをしたというデータも公表されており、その主な原因は、物音や声、家事などの役割分担の問題があるわけであります。 よい点や悪い点といろいろありますが、コロナ禍を経験し、また、日立や富士通などの電機大手が在宅勤務を標準とする旨の方針を打ち出している中で、新しい日常の中における新たな業態の働き方として今後定着していくものと考えられます。 在宅で働きながら育児をするというパターンも確実に増えていくものと思います。南千住の
リバーパーク汐入町会で試行されている集会室を
シェアオフィスとして活用する取組など、地域でも新たな動きが出ていますが、多様な働き方が進む中にあって、
子育て支援のニーズもますます多様化していくものと思いますが、こうした点を踏まえた今後の
子育て支援の在り方について、区の御見解をお伺いいたします。 次は、これからの施設の在り方についてですが、初めに、全ての施設の総点検の実施についてお伺いいたします。 一昨年の九月会議の一般質問において、
公共施設マネジメント関連の質問を取り上げさせていただきました。公共施設やインフラを経営的な視点から全体を見渡すと、施設の安全性を確保しつつ、健全な財政運営を維持していくために、施設の
在り方そのものを整理し、必要に応じて施設の統合、再配置、複合等の思い切った手段のほか、
包括管理委託などの民間活力の活用等についても選択肢に入れて検討すべきという内容でした。中長期にわたり多額の財政支出を伴うものであることから、将来の区政の大きな課題という認識の下、問題提起をさせていただきました。 あれから二年がたち、その後の検討の進捗状況はいかがでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大により財政状況の見通しは急激に不透明な状態となった中にあって、これまで以上に一段と創意工夫が求められていると思います。 事務事業については、我が自民党が主導したサンセット方式導入により予断なく見直す予定であるなど、現在進行形で話が進んでいます。同様の考えを施設にも適用し、今この時点における必要性だけでなく、将来を見据えて施設の必要性や施設の意義などを整理し、そのあるべき姿を検討すべきではないかと思います。 一足飛びには結論が出ない問題であると思いますが、今後財政的に厳しい局面が続くことが見込まれる今だからこそ、真剣に向き合うべき課題であると思います。こうした点について、区の御見解をお伺いいたします。 次に、そうした背景があるという前提の下で、個別具体的な話を提案させていただきます。 私の地元であるあらかわ遊園スポーツハウスの件でありますが、スポーツを通じて人格が形成された身として、健全な心と体を身につけ、生涯にわたって健康で元気に暮らしていく上で、人生にスポーツは必要不可欠なものであり、一生にわたって関わっていくべきものと考えています。 スポーツを振興する拠点の一つである荒川総合スポーツセンターは、昨年度、大規模改修を行い、見違えるような施設に生まれ変わり、日々多くの方に利用されております。 区内における屋内スポーツの拠点として、この
新型コロナウイルス拡大の状況がなければ、ボッチャをはじめとする障がい者スポーツの拠点としても今以上に活気あふれて利用されている状況になっていたと思います。感染拡大が続く難しい状況ではありますが、今後も拠点施設として区民により利用される施設になってほしいと思います。 これはスポーツハウスについても同様であります。規模こそスポーツセンターの三分の一程度ですが、毎年延べ十六万人に利用されている施設であり、特にスポーツセンターが改修をしていた昨年度は、利用者が例年の二〇パーセント増しとなったと聞いております。区内西部に位置する施設でありますが、尾久地区の方をはじめ、区全域から利用されている施設であります。 あらかわ遊園が再来年度春リニューアルオープンを目指し、遊園通りかいわいとBとC地区も整備着工を間近に控えるなど、地域全体で見直しが進んでおります。その中で、開設以来、二十七年が経過し、少し疲れた感じも目立ってきたスポーツハウスも、遅れることなく必要な改修を進めるべきと思います。 もちろん、単に改修を実施するというものではなく、先ほど述べたように、将来にわたって施設のあるべき姿を考えて対応を図るべきであります。例えば、人生百年時代にあって、生涯健康で過ごしていただくため、
高齢者向け、障がい者向けなど、ハード、ソフト両面にわたって特色を持った施設とするなど、スポーツセンターとは異なる機能をさらに付け加えることなども考えるべきだと思います。 こうした点を加味しながら、スポーツハウスをより区民に利用される施設にしてほしいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。 次に、さらに一歩進んだ学校教育の推進について。 まず、小中学校における教え方改革について。 今年の二月二十七日、
新型コロナウイルスの感染拡大に対し、学校を臨時休校するよう国は全国に要請をいたしました。これは国内の教育現場に大きな衝撃を与え、四月の時点では双方向のオンライン授業に取り組めた自治体や学校は全体の五パーセントぐらいで、動画配信やコンテンツ視聴といったワンウエーのオンラインによる学習ができたのは約三〇パーセント程度にすぎず、残りの約七〇パーセントは学習プリントを配るくらいの対応しかできなかったわけであります。 しかし、そういう状況の中、熊本市はすぐに対応を始め、四月には市内全校規模でオンライン授業体制を整えました。現在、文部科学省の進めるGIGAスクール、これは小中学校の児童・生徒一人に一台のパソコンと学校に最大高速大容量の通信ネットワーク整備をし、多様な
子どもたちに最適化された創造性を育む教育を実現させ、さらに教職員の業務を支援する統合系校務支援システムの導入で教員の働き方改革につなげるというのがこのGIGAスクールの構想であり、新学習指導要領の求める学びを実現するため、必要とされるICT機器環境の整備を目標としてきたわけであります。 熊本市教育センターでは、「授業で大切なのはとにかくアウトプットです」と言っており、このアウトプットとは、本来の意味は出力や発信するという意味ですが、教育でいうと、学習や経験によって得た学びを発信や活動に反映させることで、その有効性や効果も含むという意味であります。そして、授業の内容をこのアウトプット中心に変更し、「教えられる」から「学ぶと活かす」へ、人との対話や体験を通して自分の思考を深められるような仕組みを考えたわけであります。 それまで熊本市のICT機器整備は、政令指定都市の中でも下から二番目であったのをトップクラスの教育環境を整備するため、教育ICTプロジェクトを推進し、いつでも、どこでも、誰でも学べる環境の構築にあり、ICT機器整備が遅れたことで、教員のICTリテラシーは十分でなかったので、使いやすい機器を整備することや導入したタブレットのアプリはシンプルで操作性がよいことを第一に考え、内容のアプリも、あったらいいねではなく、なくては困るものに絞り込み、児童・生徒が覚える操作を極力少なくしたわけであります。荒川区のほうがタブレットを配ったのは早かったわけでありますが、ただし、学校教育も単にICT機器を導入すればよいというものではなく、使いこなすことができなければ、道具はそろったけれども、結局、仏作って魂入れずでは意味がないわけであります。 今も昔も読み書きそろばんが重要であり、環境や道具ではなく、中身の理解度であります。 学校の先生になられる方は、学生時代から頭がよく、成績優秀な方が教師になる場合が多いわけで、私のように出来が悪く、勉強嫌いな児童・生徒に対し、いかに勉強というものが面白いのかというきっかけを作ってあげるのも教師の役目であります。 国語などは生まれ育った国の言葉ですから、話したり聞いたりすることはできると思います。しかし、算数の場合は、小学校三年生辺りから論理的思考が必要になり、その辺りから苦手な教科になる場合が多いわけであります。しかし、成績優秀で来られた教員は、スタートから数字を並べ、押しつけようとします。意味や内容が理解できない生徒・児童は、その時点からあきらめてしまい、中学へ進み、数学となると訳が分からなくなるわけであります。そこで、身近な日常の生活に関連する行動から入るのも一つの方法ではないかと思います。 これはあくまでも一つの例ですが、因数分解は、聞くと一見外国語のように聞こえる言葉ですが、例えばカレーライスを作るとしたとき、家族四人前のカレーが何からできているのかを求める手法で、ニンジン二本、ジャガイモ三個、タマネギ二個、豚肉二百グラム、水五百ミリリットル、カレーのルーの素四個みたいに原料とその数量を求めるのが因数分解であります。また、微分積分の場合も、聞いただけでじんましんができそうな言葉ですが、通常の生活にてらし合わせてみますと、道路を横断しようとしたとき、向こうのほうからトラックが走ってくる。そのとき、あ、車が来たと気づいて、瞬間的に危ないかどうか判断するのが微分であり、自分がどの程度歩く速度を調整すれば渡れるかを計算するのが積分であります。微分積分を習っていない子どもでも、トラックにぶつからないよう道路上で瞬時に計算しているわけで、こういうことから入れば興味が湧くのではないでしょうか。 教員の働き方改革が問題視されている中で、私はもう一つの問題である教員の教え方改革も必要でないかと思うわけであります。 各地の自治体や学校の臨時休業中における教育活動を見ていく中で、自治体や学校がこれまで教育に対して取り組んできた姿勢が、休業時の学びの保障にダイレクトに反映されているのではないかと考えられるわけであります。 学問もゲームと同じであり、攻略できれば面白くなり、どんどんステップアップし、挑戦する気持ちが湧き、自ら進んで取り組む姿勢が理想ではありますが、そのチャンスをつかませるのも教師の役目ではないでしょうか。教師が自分の教え方なら児童・生徒の全員が理解するであろうプレタポルテ授業では通用しない時代になっており、オートクチュールの時代の授業を考えなければ、一人一人の児童・生徒は社会に羽ばたけないのであります。 教師の働き方改革も大切なことでありますが、教師の教え方改革も重要と考えますが、区の御見解をお伺いいたします。 最後に、国際バカロレアの推進について。 国際バカロレアは、一九六八年にスイスのジュネーブで非営利団体として発足しました。当初は国際的な移動を余儀なくされる生徒たちを対象とし、高度な大学入学前の教育を実施することを目指し、インターナショナルスクールの教員たちが先進的な考えに基づいて、国際バカロレアのディプロマプログラムを発足させました。このディプロマプログラムとは、国際的に認められた大学入学資格を言います。 よりよい世界の実現のため、高度な教育の実践を企画した創設者たちの理想と理念は、国際バカロレアのミッションステートメント、分かりやすくいうと、経営理念に凝縮され、それを原理原則となるさらなる進展を遂げようとしています。 具体的に国際的な視点に立つその理念や原則を実践に移す手だてとして、国際バカロレアの学習者像が挙げられています。こういう意味でも、国際的な視点に立ち、これからの世界で生起し得る課題に対応できる若者の育成に取り組んできたと言えます。 近年では、グローバル社会の到来に伴い、カリキュラム改革の指標の模索と大学入学資格審査の国際基準の確立の必要性が求められ、国際バカロレアがその内容の高度さと豊富さゆえに高い評価を得、世界的に急激に普及しています。そして、多文化に対する理解と尊敬を通じて、平和でよりよい世界の実現のために貢献する探究心、知識、そして思いやりのある若者の育成を目的としています。 この目的のため、国際バカロレアは学校、政府、そして国際機関と協力しながら、高度な国際教育プログラム及び厳格な評価を開発しています。そして、このプログラムは世界中の児童・生徒に対し、他人の人たちをその違いとともに理解し、自分と異なる人々にもそれぞれに理があり得ることが分かる、行動的で共感する心を持つ生涯学習者となるよう働きかけています。 このように、国際バカロレアのミッションステートメントは、国際教育の本質に関する深遠な原理を明確化し、全ての国際バカロレアプログラムを推進する基盤としています。 また、具体的に国際バカロレア校で学ぶ全ての
子どもたちが、こうした指針の下、学習者としてどのように成長していくのかを表すのが学習者像という形で掲示しています。国際バカロレアの学習者像には、価値を置く人間性を十の人物像として表しています。まず探求する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションができる人、信念を持つ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスの取れた人、振り返りができる人のこうした十種類の人物像は、個人や集団が地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティの責任ある一員となることに資するわけであります。 そして、国際バカロレアは、四段階のプログラムを開発、提供しています。 初等教育プログラムは、三歳から十二歳の児童対象で、探求する人としての基礎教育、そのために必要な知力、体力、精神力のバランスが取れた人間になることを目指す教程です。 中等教育プログラムは、十一歳から十六歳の生徒を対象に、五年間のプログラムで教科を学びながら実社会とのつながりを理解し、分析し、省察して考える人間になることを目指します。 ディプロマ資格プログラム、このディプロマとは、短大卒業レベルですが、十六歳から十九歳の生徒対象の二年間の高度なプログラムで、大学受験やその先の人生を見据え、強みや個性を明確にして、自らが進む道を見極められる人間になることを目指します。 そして、最後のキャリア関連教育サーティフィケート、サーティフィケートとは就学証明書ですが、十六歳から十九歳の生徒対象で二年間のプログラムで、ディプロマ資格プログラムを履修した一方で、キャリア関連学習を進めていく内容になっております。 この四種類のプログラムの中で、三歳から十二歳の初等教育プログラムと十一歳から十六歳の中等教育プログラムは、荒川区でも実践していくのは可能であり、グローバルな舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を図るべきであり、大学教育のグローバル化を目的としているなら、高校から始めればよいなどと悠長なことを言っていては遅いわけであります。 今を生きる
子どもたちにとって自治体の役割は大変重要であり、
子どもたちを地域一丸となって育てていかなければならないのが実情であり、日本国内でしか通用しない人間では世界から遅れを取るのは必定で、
子どもたちの将来の可能性を広げてあげるためにも、そして世界で活躍するリーダーを育てるためにも、教育委員会の役割が大変重要となってくるわけであります。 多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、よりよい、より平和な世界を築くことに貢献し、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成が大切であり、幼い時期に習い覚えたことは忘れないわけであり、区内の幼稚園や小中学校でも段階を考えた国際バカロレアのプログラムを始めるべきと考えます。 しかし、この内容は大変高度な内容で、ぴんとこない方もいらっしゃるかとは思いますが、いずれ、あのとき言っていたことだったのかと思われる日が必ず来ることでしょう。でも、そのときでは遅いのであります。タブレット授業のパイオニアである荒川区ですから、ぜひ進めるべきと考えますが、区の御見解をお伺いいたします。 以上で一回目の質問を終わります。ありがとうございました。 〔区長
西川太一郎君登壇〕
◎区長(
西川太一郎君)
中島義夫議員さんの御質問に答弁をさせていただきます。 まず私からは、今回の区長選挙でも申し上げてまいりましたが、今後の区財政の適切な運用を基本に据えて、区民の皆様に四期十六年の区政の御評価をいただきましたことに心から感謝を申し上げながら、区長としてのさらなる責任を果たしてまいりたいということを初めに申し上げておきたいと存じます。 区政は区民に幸せになっていただくためのシステムであるというドメインを掲げて、現在まで千八百項目にわたる新規事業や拡充事業を行ってまいりました。区議会の各会派の皆様方の御意見を十分にこれからも伺いながら、一緒に区民のお幸せのために努力をしてまいりたいと存じております。 こうした中で、私は、今回の
新型コロナウイルスの危険が区民の皆様に拡大しないように、徹底した収束に向けての努力を、たくさんの知見をお持ちの専門家の方々に謙虚に御指導いただきながら、区の財政運営が極めて厳しい状況に陥るという想定をいろいろな方面から指摘をされておりますが、こういうときだからこそ、私たちは議員の皆様にも御協力をいただきながら、
新型コロナウイルス拡大に対して、きちんとした対策を立てていきたいというふうに思いますし、同時に風水害などによる災害対策、また、公共施設が経年化して老朽化しているものも見られますので、こうしたことに対しても、区の総力を挙げて、区民の皆様がこの荒川の地で安全・安心に暮らしていただけるような努力をしてまいりたいと存じます。 そのために、これまで以上に財政の健全化、これは何をやるにしても、財源が必要でございます。それをきちんと確保できて、区民の皆様の御期待に応えられるような、堅実な財政運営をしてまいりたいと存ずるところでございます。 こうした区政の取組というものを私は今まで以上に真剣に着実に取り組んでいきたい。今までの議会の皆様方の御協力や御指摘、そして議員としての御努力、こういうものの積み重ねを十分理事者の代表として尊重させていただきながら、確実な区政運営に持てる力の全てをささげてまいりたいと存じております。 幸せな笑顔に満ちあふれた荒川区を実現して、未来社会の守護者であるとかつてから尊敬申し上げている学者の先生の名言をしっかり自覚して、引き続いて区議会各会派の皆様と御協力をさせていただきながら、謙虚に議会の声に耳を傾け、一層努力をしてまいりたいと存じます。 これ以外の御質問につきましては、
関係理事者から御答弁を申し上げさせていただきます。 〔教育長高梨博和君登壇〕
◎教育長(高梨博和君) 初めに、小中学校における授業の進め方に関する御質問にお答えいたします。
子どもたちが自ら進んで意欲的に学習に取り組むことができるようにするためには、議員御指摘のとおり、日々の授業の中で身近な日常生活に関連する事象を取り上げるなど、
子どもたちの興味・関心を高めていく工夫が必要となってございます。教師には教えるプロとして、教材研究や指導方法の研究を絶えず行っていくことが求められております。荒川区教育研究会や各学校における校内研究などでは、教師が互いに学び合い、授業力向上に努めているところでございます。 教育委員会といたしましては、御質問の趣旨を踏まえ、
子どもたちの意欲を喚起する授業を実施し、一人一人に合ったきめ細かな指導を展開し、どの子にも分かる喜びや、学ぶことの楽しさを実感できるよう指導力向上に取り組んでまいります。 また、タブレットパソコンにつきましても、補正予算を活用させていただき、今月には完全一人一台体制が全校で実現いたしました。今後は、オンライン学習用教材をフルに活用し、基礎学力の向上や発展課題へのチャレンジなど家庭学習もより一層充実させ、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力や、学びに向かう力などの資質・能力をバランスよく育成できるよう、各学校を全力で支援してまいります。 続きまして、国際バカロレアに関する御質問にお答えいたします。 国際バカロレアは、ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムであり、国際社会で貢献できる人材の育成を目的としてございます。今年度から小学校で本格実施となった学習指導要領の目指す方向性と多くの共通点を持っている教育プログラムでございます。 国際バカロレアの目指す学習者像として、先ほど議員から御説明がございました「考える人」の育成は、新しい学習指導要領の中では、各学校で育成を目指す三つの資質・能力の中の一つである思考力・判断力・表現力に当たるものであり、コミュニケーションができる人は、授業改善の大きな柱であるアクティブラーニングにおける対話的な学びや協働的な学びを通じて培うものとなってございます。 このように、国際バカロレアの理念は、新しい学習指導要領と相通じるものがございまして、東京都におきましても、平成二十八年度から高等学校において、海外の大学進学を念頭にディプロマプログラムにのっとった教育が進められてございます。 荒川区教育委員会といたしましては、国際バカロレアの理念や学習者像などの考え方は非常に参考になるものと考えてございます。今後とも国や東京都の方向性を踏まえ、御提案の趣旨を十分に生かし、区立小学校の教育活動のより一層の充実に努めてまいります。 〔健康部長石原浩君登壇〕
◎健康部長(石原浩君)
インフルエンザとの同時流行に備えた医療体制の確保に関する御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症に加え、
季節性インフルエンザが流行した場合において、多数の発熱患者が適切に診療または検査を受けられるよう、今般、国において発熱患者の診療等を行う
かかりつけ医を診療・
検査医療機関として指定し、発熱患者の診療等の対応を行う体制の整備が進められております。これに伴い、発熱等の症状が生じた場合は、
かかりつけ医等身近な医療機関にまず電話で相談し、相談する医療機関に迷う場合には、都がワンストップ窓口として設置する発熱相談センターに相談し、受入れ可能な医療機関の案内を受け、受診する仕組みとなっております。 区では、これまで十月一日にいち早く医師会との協議を開始し、体制整備の準備を進めてまいりました。医師会では独自に意向調査を行った結果、他院からの紹介を受けて診療と検査の両方を実施する医療機関は三十四と伺っております。 今後、医療環境整備費補助のさらなる活用や、今回の補正予算に盛り込んだ医療機関に対する区独自の新たな支援策等により、区民が安心して診療等を受けられる受診体制の整備が一層進むよう医師会との連携を深めてまいります。 また、年末年始におきましても、保健所において毎日職員が交代で勤務し、区民からの相談対応や医療機関との連携を図るための体制を整えるとともに、例年の休日診療当番医に加え、医師会と連携して発熱や感染症状を有する区民に対応可能な医療機関を確保してまいります。 療養場所につきましては、区でもこれまで宿泊施設において療養を行っていただく取扱いを原則とするとともに、区内及び隣接区の医療機関において区独自の病床確保等を行ってまいりました。市中感染を未然に防止するためにも、療養においては宿泊施設を利用していただけるよう、最大限対応してまいります。 区といたしましては、引き続き感染拡大の防止に万全を期すとともに、医師会をはじめ、各医療機関との協議をさらに進め、
インフルエンザ流行期等における医療体制の強化に全力で取り組んでまいります。 次に、
新型コロナウイルス感染症対策に関する御質問のうち、子どもの
定期予防接種の接種勧奨についての御質問にお答えいたします。 区では、これまで
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による定期接種への影響が極力生じないよう、定期接種期間の延長と接種勧奨に努めてまいりました。区ホームページや
子育て支援アプリ等により注意喚起や情報提供を行っております。 また、乳幼児健診におきましては、未接種児の保護者に対面での勧奨を行って、定期接種の期間を過ぎてしまった場合には、接種期間延長制度の御利用をお勧めしております。 区といたしましては、予防接種システムを活用して、接種状況を適時適切に把握しながら接種勧奨に努めてまいります。 次に、定期検診の受診勧奨についての御質問にお答えいたします。 がんに関する定期検診につきましては、国の
緊急事態宣言発令を受け、区直営のがん検診を休止しておりましたが、八月から再開いたしました。再開に辺り、一回当たりの人数を減らすなどの密を避ける対策とともに、
感染防止対策に万全を期しております。 がん検診の受診券発送の際には、
感染防止対策の取組についても併せて御案内を行うなど、安心してがん検診を受診していただけるよう受診勧奨に取り組んでまいります。 がん対策で早世を減らすことは区民の共通の願いでありますので、今後とも、がん検診の受診率向上に努めてまいります。 〔福祉部長片岡孝君登壇〕
◎福祉部長(片岡孝君) コロナ禍における
フレイル等の進行予防に関する御質問にお答えいたします。 高齢者の方の多くは、外出自粛に伴い、趣味活動などに参加しにくくなったり、サロン等の近隣での集まりが開催されないなど、外出の機会が減少しております。現在、サロンやころばん体操、シルバー大学などが徐々に再開しておりますが、直接人と接する機会が少ない傾向は続いております。 国内の研究機関によるコロナ禍の高齢者への影響に関する調査結果では、
歩行速度の低下や認知機能の低下等が起き、外出しないことによる健康二次被害が外出による
新型コロナウイルス感染症の
感染リスクを上回るとの指摘もございます。 区では、これまで、コロナ禍でも自宅などで実施できるフレイル予防や健康づくりの取組方法等について、ポスター掲示やリーフレットの全戸配布、ホームページなどによる周知を行ってきたほか、東京都立大学の監修によるDVDを作成し、配布してまいりました。また、認知機能の維持、向上のために、人が集えるサロンや認知症予防教室などを安全に実施できるよう、開催の支援を行ってまいりました。こうした取組により、フレイルとなった方が教室等の参加によって改善される状況も見られるようになっております。 区といたしましては、今後もフレイル予防等の重要性について様々な媒体でお知らせをするほか、コロナ禍でも実施できるオンライン動画を活用した健康づくり教室の検討や、感染防止に努めながら人と人が集える場の工夫などを推進してまいります。 〔
子ども家庭部長青山敏郎君登壇〕
◎
子ども家庭部長(青山敏郎君) 多様な働き方を踏まえた
子育て支援に関する御質問にお答えいたします。 社会経済活動を直撃した
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、民間企業では
テレワーク等の在宅勤務の導入が一気に進み、時間や場所にとらわれない働き方が定着することに伴い、御質問にありましたとおり、仕事と子育てを両立するための子育てサービスも適切に対応していくことが必要と考えてございます。 これまで保育園の入園審査に当たって、多くの自治体では、働く場所が会社か自宅かによって異なる基準を採用して審査しておりましたが、フリーランスやこのたびのような在宅勤務等の実態を踏まえ、同じ基準で判断する自治体が増加しており、本区におきましても同様の運用を図っているところでございます。 また、民間のサービスにおきましては、子どもの面倒を見ながらその場所と隣り合わせで仕事のできる託児付きの
シェアオフィス等が注目され、また、ベビーシッターや家事代行サービス、一時預かりなど柔軟なサービスの利用も増加していることなど社会情勢が大きく変化する中で、子育て家庭の求めるサービスは一層多様化していくものと考えております。 しかしながら、多様化するニーズの全てに行政が応えていくことは困難であり、公共サービスをともに担う公と民の役割分担の中で、これまで以上に民間の活力も生かしながら、子育て家庭が自分のライフスタイルに合った必要なサービスを選択できる制度を構築していくことが求められていると認識しております。 区といたしましては、御質問の趣旨を踏まえ、コロナ禍を経たその後の社会経済活動や子育て家庭のニーズを捉えながら、民間によるサービスの状況を注視し、区として必要な支援の在り方を考えてまいりたいと考えてございます。 〔
総務企画部長五味智子君登壇〕
◎
総務企画部長(五味智子君) 公共施設の老朽化の対策に関する御質問にお答えいたします。 区では、平成二十六年四月に荒川区公共建築物中長期改修実施計画を策定し、区民ニーズに応じた行政サービスを継続的に提供していくため、適切な施設の維持管理に努めてまいりました。 さらに平成二十九年三月には、公共施設等総合管理計画を策定し、予防保全型の維持管理に移行することにより施設の長寿命化を図ることとしております。現在、この計画に基づき、各施設においても個別施設計画を策定しているところでございます。計画の策定に当たっては、ハード面のみならず、今後の施設の役割や将来に向けて事業をどう見直していくべきか等ソフト面について丁寧に検討を行っております。 今般、財政フレームでお示ししたとおり、コロナ禍において、区の財政状況も非常に厳しい状況になることから、将来の各施設の大規模改修や建替えに備えた財源の確保が今まで以上に重要な課題であると認識しております。 区といたしましては、今後、ソフト面の検討により、将来のニーズを踏まえた施設機能の特化を図るとともに、御質問の趣旨を踏まえ、個別施設管理計画の策定を行った上で、施設の統廃合や複合化などについて、しっかりと検討してまいります。 〔
地域文化スポーツ部長古瀬清美君登壇〕
◎
地域文化スポーツ部長(古瀬清美君) あらかわ遊園スポーツハウスの今後に関する御質問にお答えいたします。 あらかわ遊園スポーツハウスにつきましては、開設から二十七年が経過しており、施設の大規模な改修を行う時期を迎えていると考えております。そして、改修の際には、利用者の皆様に安全に安心して御利用いただき、利便性や快適性を向上させるためにも、施設のバリアフリーへの対応が極めて重要であると認識しております。 加えて、当該施設の規模を踏まえますと、議員の御提案にございましたように、高齢者や障がい者の方々への事業などを特色とすることが今日的なニーズを捉えたものと認識をしております。 このようなことから、今後、スポーツハウスの運営の方向性は、高齢者のフレイル予防教室や障がい児向けのスポーツ教室などが実施できるよう施設整備を行うことを含め、時代に見合う施設となるよう積極的に検討を進めてまいります。
○議長(
明戸真弓美君) 残時間一分となります。
◆十五番(中島義夫君) 自席で失礼いたします。 世の中がコロナ禍で今、大変な状況でございます。とにかく大きな壁を区と議会側で一丸となって乗り越えていかなければならない。乗り越えられなければ、横から回るか、地面を掘ってくぐってでも向こうに出るか、いろんな方向からアイデアを出しながら、いろんな方向性を考えてここを突破しなきゃいけないと思っております。どうぞ荒川区民のためによろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。
○議長(
明戸真弓美君)
中島義夫議員の質問を終わります。 八番小林行男議員。 〔小林行男君登壇〕
◆八番(小林行男君) 私は、日本共産党荒川区議会議員団を代表して質問を行います。 新型
コロナ感染拡大が全国的にも急速に広がり、過去最高を連日更新、医療崩壊など深刻な事態が予測されております。 こうした深刻な事態に陥っているにもかかわらず、菅政権は、感染症対策分科会がGoToトラベルの一時停止を提言しても、まともに受け止めず迷走しています。また、検査や医療体制の強化や雇用、営業、暮らしを守る抜本的な政策を打ち出そうとしない無為無策に国民の不安と失望が広がっています。日本医師会の会長は、感染防止策が結果的には一番の経済対策だと指摘をしております。 区民の命と暮らしを守ることを第一に、区民の不安や困難を取り除くための施策を大胆に行うことが必要であります。新型
コロナ感染拡大防止を最重要課題として、検査、保護、追跡の一体で抜本的に拡充することが求められます。 また、年末にかけて、倒産・廃業の増大が懸念されております。雇用と事業を維持し、経済を持続可能にできるように最大限支援をしていくことが求められています。 今、荒川区が地方自治体の本旨である住民の命と暮らしを守る役割を全面的に発揮できるか否かが鋭く問われています。区は、今後の財政フレームの中で税収の減少など財政運営が逼迫し、基金も切り崩しながらの運営になる区独自事業の二百八十項目をサンセット方式で見直すことを表明しています。 不要不急なものは見直すのは当たり前ですが、区民の暮らしを支える施策等も対象にされていること、一方で、東京都でさえ、築地の再開発など休止をするとしているにもかかわらず、駅前再開発は来年三月、五月の都市計画決定を目指すとしています。 そこで、来年度予算編成に当たって、新型
コロナ感染拡大という緊急事態の下で、区民の命と暮らしを守る感染予防と暮らしを支える大胆な財政出動を行うことを求めます。お答えください。 荒川区内でも連日感染者が報告され、十一月一か月で百人を超えて、トータルで二十八日現在、六百二十二人と増加し続けています。介護・医療機関、区役所、保育、学校など公的部分の職場でも感染が確認され、収束には程遠い状況です。家庭内感染も増えています。必要な対策を打たなければ、感染拡大を防御することはできません。 政府の対策本部でも、新宿区歌舞伎町での大規模地域集中的な
PCR検査を実施したことにより陽性者数が減少したことが統計的分析で明らかになっています。クラスター対策にとどまらず、感染急増地になるリスクがあるところに対して、無症状の感染者を把握・保護するための面の検査が必要です。医療機関、介護・福祉施設、保育園、幼稚園、学校、学童クラブなどクラスターが発生すれば多大な影響が出る施設などに定期的な社会的検査を行い、感染拡大を事前に防ぐことが求められています。 世田谷区が今月社会的検査として実施した
PCR検査では、特別養護老人ホームで職員ら計十名が感染していることが分かりました。江戸川区でも高齢者・障害者、幼稚園、小中学校を対象に施設巡回
PCR検査を始めました。今回の補正予算で、国や東京都が行う重症化が懸念される高齢者施設などの入所者や職員等への
PCR検査にとどまらず、漏れている訪問介護事業者も全体を対象にすることは歓迎しますが、定期的な
PCR検査を介護施設等だけでなく、保育園、学校などに思い切って広げること、そのための必要な検査体制を拡充することを求めます。お答えください。 荒川区の保健所体制は、三月の時点では感染症予防係は保健師五名を含め九名でした。現時点で新規採用の任期付職員や区内部からの派遣、都からの派遣、人材派遣など三十七名の体制になっています。お隣のほぼ人口規模で同じの墨田区は、十名体制から六十九名体制を作り、現在
PCR検査を一日三百五十件に引き上げてきています。また、民間の検査機関を誘致したことで、クラスターなど突発的な発症が起きたときでも、最大で一千件まで対応できるそうであります。 荒川区では、現在、
PCR検査は土日に挟まれると一週間も結果が出ない場合もあります。また、陽性が判定された軽症でホテルに隔離を希望してもすぐには入れない事例も発生しています。 感染から二日目までが感染率が高く、迅速に適切に対処しなければなりません。陽性者を着実に把握・保護すること、濃厚接触者は陽性者一人に五人以上いると言われています。感染者、濃厚接触者への追跡を専門に行うトレーサーを確保することが必要です。感染者、感染ルートを追跡する独自の職員、今後増大が見込まれる検体の発送から受取りなどの業務を行う職員を確保することが求められます。お答えください。
コロナ対応を最優先してきましたが、本来の保健所が行う大切な仕事が先送りされたものもありました。乳幼児健診や精神保健など通常業務に支障が生じないよう保健師の増員を行うことを求めます。お答えください。 医療崩壊、介護施設などクラスターの発生を食い止めるために、従事者への慰労金や衛生資材の提供など現場の実情に合わせて支援が大切だと思います。そのために、医療・介護・福祉施設等への現場の事情に合わせて、区の独自の支援を迅速に行うこと、答弁を求めます。 暮らしの面ではどうでしょうか。総務省が六日発表しました家計調査によると、一世帯二人以上当たりの消費支出は二十六万九千八百六十三円となり、物価変動の影響を除いて、実質前年同月比一〇・二パーセント減少しました。マイナスは十二か月連続です。東京商工リサーチの調査では、九月も六か月連続で八割の中小企業が前年同月比で売上が落ちています。企業の破綻は九月、十月と増え始めています。支援策の効果が切れ始めているのではないかとしています。 また、九月勤労統計調査によると、現金給与総額は前年同月比〇・九パーセント減の二十六万九千五百三円で六か月連続低下、景気低迷の中で労働時間が減り、残業代などの所定外給与が落ち込んでいます。さらに解雇、雇止めは累計で七万人を超えました。この数字さえ氷山の一角と言われ、百三十万人の非正規雇用者が職を失ったという指摘もあります。この多くが女性や若者であります。事業や雇用の深刻な危機です。それを反映して、女性、若者の自殺が増えてきています。これから年末にかけて、倒産、廃業、失業の急増が懸念され、まち場では「今、製作中の部品を納めたら残受注はない。初めての事態だ(金属加工)」、「もう持続化給付金は残っていない。このままでは廃業だ(製造業)」、このままでは年を越せないという悲鳴がまちのあちこちで聞かれます。 実際、荒川区内で国民健康保険料の減免は千三百件の申請があり、九百三十件が実施して、二〇一九年度三千三百万円、二〇二〇年度二億円が実施されておりますが、未申請の方が残されているように思います。滞納者の方には直接連絡をしながら制度の説明をしているとのことですが、この機会に周知徹底をすることが必要です。中小企業向けの持続化給付金を複数回支給することや、家賃支援給付金と休業支援金の拡充こそ切実な要求になっています。国に実施を求めるとともに、第一に区として、人件費、家賃、リース料、
コロナ対策の設備投資、消耗品など広く活用できる(仮称)事業継続支援補助制度を年内に創設すること、第二に、区のコロナ関連融資の金利をゼロにすること、その際、遡って対応することを求めたいと思います。第三に、区内産業の仕事づくり、地域経済に大きな経済効果を期待できる住宅リフォーム助成を年度内決断することを求めます。お答えください。 また、低所得者の皆さんにとって家賃負担が重くなっています。公的住宅には倍率が高過ぎてなかなか入れないのが実態です。そこで、低所得者世帯の家賃助成を直ちに具体化することを求めます。お答えください。 また、雇用関係の悪化により、ひとり親家庭などの状況が悪化しています。改めてひとり親家庭など低所得者層への区としての追加の給付を求めます。 また、若者の学びの場を保障していかなければなりません。経済的問題で大学入試を諦めざるを得ない状況も聞こえてきます。区の奨学資金貸付制度を大学等の受験にも適用できるように制度を拡充することを求めたいと思います。答弁をお願いします。 年末年始は相談、検査、保護など緊急を要するものなどの対応が求められます。例年にも増してあらゆる事態を想定して、年末年始の区役所の相談体制を強化することを求めたいと思います。お答えください。 次に、
子育て支援について伺います。 出産・育児で母親が抱える不安、ストレスがコロナ禍で深刻化しています。四月の
緊急事態宣言を受け、子育てサロン、一時預かりなどほとんどの
子育て支援が中止、母親・両親学級も中止、乳幼児健診も延期をされました。出産のための立会いや面会も制限をされています。母親のストレスの軽減の機会が減り、区の保健師、助産師が関わる機会も減ったため、SOSを早期につかむことが難しくなってきています。事業が再開された今も不安や孤独を抱いたままの妊婦が多いのではないでしょうか。 十月に専門家が行った調査では、産後一年未満の母親で産後うつ病状にある人は約二四パーセント、およそ四人に一人であり、従来の二倍以上の割合という深刻な結果も出ています。妊産婦への支援は急務であり、重要です。区として産後うつなど実態把握を行い、対策を充実させることを求めます。お答えください。 長期にわたる学校休業の中で大きな負担を強いられてきた一人一人の
子どもたちの学び、心身のケア、感染対策を図るために少人数学級は喫緊の課題であります。 国立成育医療研究センターが十月八日に発表したコロナ子どもアンケートの第三回中間報告では、五月の時点で「コロナを考えると嫌」が三九パーセントでしたが、九月の時点でも四〇パーセントとなっています。同じく「すぐイライラしてしまう」が三二パーセントから三〇パーセント、ほとんど変わらない状況が続いています。
子どもたちが大変なストレスの中に置かれています。その中で「大人たちへのお願い・アドバイス」で、学校への項目に、学校でもっとたくさん話を聞く時間を作ってほしい、学校が生徒の気持ちを知ってほしい、話し合える場が欲しいという声が寄せられています。また、実質的な少人数学級となった分散登校になった現場の教師からも、一人一人の
子どもたちの行動が見えるなど好評の声が寄せられています。そして、少人数学級が学力向上でも有効だという文部科学省の調査などもあり、萩生田文部科学大臣は不退転の決意で臨むと国会で答弁し、来年度の概算要求では、公立小中学校での少人数学級実現のための予算を自公要求として盛り込みました。国も大きく踏み出そうとしている下で、区として早期実現を働きかけると同時に、準備に着手することを求めます。お答えください。 また、コロナ禍の中で、学校の一斉休校などでどの子も必要な栄養が取れる学校給食の重要性が改めて見直されました。給食費については、都内でも東京都北区が第二子半額、第三子以降全額補助、足立区でも同様に来年度実施を予定しているそうです。葛飾区、品川区は多子世帯三人目以降については全額補助をしています。世田谷区では、年収七百六十万円未満世帯の給食費を就学援助費で全額支給しています。また、今年度に公費補助を実施・拡充した自治体も増えてきています。学校給食の無償化について、段階的にも踏み出すことを求めます。お答えください。 子育て世代の家計も大変であります。共働きの増加などの影響や生活保護の削減などの影響もあって、就学援助の利用家庭がこの数年減る傾向にあります。決して子育て世帯が豊かになったとは考えられません。就学に当たり、学校経費や塾など教育関連経費が重く家計にのしかかっています。現状基準では、多くのボーダーラインの皆さんのほうが負担が大きくなるのではないでしょうか。義務教育の無償化に向けて、就学援助の基準を生活保護基準の一・五倍に引き上げることを求めます。お答えください。 次に、介護の社会化の期待を背負い、二〇〇〇年四月にスタートした介護保険、この二十年間で利用者数、事業者数は大幅に伸び、介護問題は社会的課題として対応すべきという認識が国民の中に広がり、より多くの高齢者に公的介護サービスを届ける環境が広がりました。 しかし、一方で、経済的事情で必要な介護サービスを利用できないケースは後を絶たず、介護離職は毎年十万人前後で推移しています。また、介護現場では、深刻な経営難と慢性的な人手不足が続いています。コロナ禍の下、大幅な減収、人手不足の進行、感染防御対策の強化など、先を見通せない状況であります。 厚生労働省が二〇一九年度の介護事業者経営実態調査の結果を公表いたしました。平均の利益率は二・四パーセント、前年度比〇・七ポイント減であります。二年連続して低下し、過去最低であります。介護報酬の度重なる引下げによって、
新型コロナウイルスの影響が本格化する前から深刻な状況に事業者が置かれている実態が鮮明であります。 感染拡大前と比べたら、十月のオンライン方式での緊急調査では、全体の四七・五パーセントが悪くなったと回答し、特に通所型リハビリ施設では八〇・九パーセントが悪くなったと回答しております。通常どおりの営業ができない事態に陥っています。 この間、給付削減と負担増を押しつけてきた介護保険制度、必要なときに必要なサービスが受けられない事態になっています。介護報酬の大幅な引上げと国の財政負担を大幅に引き上げることが不可欠です。そのことによって、介護保険の社会化は公的サービスを据えてこそ、自助、共助が引き出されるのではありませんか。自助、共助ではなく、公的サービスを中心に据えることを求めます。お答えください。 同時に、介護保険制度に高齢者福祉を矮小化しないために、生活支援や介護用品など公的支援の拡充がどうしても必要であります。高齢者とその家族を支えるために、区独自の福祉サービスを拡充することを求めます。お答えください。 高齢者の介護保険料負担は限界を迎えています。第七期の基準月額は五千九百八十円、第一期が二千九百十一円でしたから、今でも高過ぎる保険料と言わざるを得ません。このまま推移すれば、荒川区の試算でも二〇二四年には八千九百六十五円になる見通しです。値上げを回避することが求められます。国民に過重な負担を押しつけ、財政破綻を回避するために、保険給付の削減をこのまま繰り返すだけでは、制度残って介護なしになりかねません。介護保険料の値上げをせめてしないことを決断すべきです。お答えください。 次に、コロナ禍でも進めようとしている駅前再開発について伺います。 西日暮里駅前は来年三月、三河島駅前北地区は来年五月に都市計画決定をしようとしています。両地区合わせて千七百戸を超えるタワーマンション、西日暮里駅前には、北千住のルミネ規模の巨大商業施設の誘致、当初計画のあった百九十億円の大ホールは八月二十七日に正式に断念。代わりにコンベンションホールの誘致で当初計画どおり推進しようとしています。また、区施設として文化交流施設として巨大なふれあい館的なものを造ろうとしています。 西日暮里駅前にしても、三河島駅前は過去の町屋や日暮里、南千住西口と違って、区の所有する土地はそれぞれ六割、三割もあり、実質区の事業そのものではないでしょうか。区民の財産で総事業費の約三割は税金が注ぎ込まれる仕組みです。貴重な区民の財産を使うわけですから、現在住んでいる区民の声を何よりも大切にすることが当たり前のことです。 区議会にも、この間、陳情が五十本以上提出されており、賛成、反対の声も様々であります。さきに行われました荒川区都市計画審議会では、三河島北地区の再開発が議題に上り、誰のためにやるのか、住民が住みやすい、区に愛情が持てるように、今の住民あっての荒川区、区民目線でを忘れないようにしてほしい。半径五百メートルだけの住民に限らず、説明、意見聴取が必要だと思う。南地区の再開発と北地区の再開発では、常磐線で分断をされていて、行き来が不便。このまま開発をして、まちを作ってもにぎわいなどできるものではない。真土小跡地がふれあい広場になって、
子どもたちも走り回れる、お年寄りも憩いの場になっている、なくされることを危惧しているなど多くの意見が寄せられています。一千戸、七百戸もタワーマンションが本当に必要なのでしょうか。コロナ禍の中で国民の生活様式が変化しているときに、このままどおりでいいのか、SDGs、持続可能な開発目標から見てどうなのかなど真摯な検討が必要です。 区は準備組合で進めているとして、最大地権者である区の責任を曖昧にする態度に終始しています。資金計画なども明らかにしないで、区とデベロッパーで進めているのではありませんか。誰のための再開発なのですか。区民にもっと情報を開示し、区民の声を聞くべきです。 荒川区のまちづくりの最優先課題は、安全で安心して暮らせるまちづくりです。今、求められているのはタワーマンションではなく、区民が住み続けられる公的住宅や住替え住宅、建替えや耐震化への支援の抜本的な充実であります。税金の使い方が間違っています。 二つの再開発で約四百億円近い税金が投入されますが、約三百ヘクタールの不燃化特区事業には、開始以後七年間、決算ベースで三十九億円程度であり、あまりにも違い過ぎます。再開発ならお金が出るからいいというわけにはいきません。西日暮里駅前再開発、三河島北再開発は、学校跡地など区民の重要な財産にも関わるだけに、区民合意がないまま、性急な都市計画決定をしないことを求めます。答弁をお願いします。 以上で一回目の質問を終わります。 〔区長
西川太一郎君登壇〕
◎区長(
西川太一郎君) 小林行男議員の御質問にお答え申し上げます。 まず私からは、来年度の予算編成に関するお尋ねに答弁をさせていただきます。 区では、
新型コロナウイルス感染症に関わる国の
緊急事態宣言の発令を待つことなく、各種イベントの中止でございますとか、区施設の休館などを区民の皆様の安全・安心を最優先に確保し、そして、感染の拡大を防止するための取組を迅速に実施してまいりました。また、これまでも三回にわたる補正予算の編成を通しまして、区民の皆様の健康とお暮らしをしっかり守っていくために、区独自の
PCR検査体制の整備でございますとか、特別融資制度の創設でありますとか、また、各種の給付金を様々な対策に組み込んで取り組んできたところであります。 本十一月会議におきましても、医療機関や福祉施設などへの御支援に関する内容を盛り込んだ四回目の補正予算を提案させていただいておるわけでございます。 今後、財政状況が厳しさを増すことが予想される中ではございますが、来年度の予算編成におきましても、不要不急な歳出の抑制を図るとともに、財源の確保に努め、区民の皆様の安全・安心を守るために、
新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、真に必要な施策を重点的に実施してまいりたいと存じております。御理解をいただけますようお願い申し上げます。 これ以外の御質問もいただきましたが、
関係理事者から答弁をさせていただきます。 〔健康部長石原浩君登壇〕
◎健康部長(石原浩君)
新型コロナウイルス感染症に関する御質問のうち、
PCR検査に関する御質問にお答えいたします。 区では、荒川区医師会の全面協力の下、四月三十日に区独自のPCRセンターを開設して以降、検査の必要数に応じてセンターの開設時間や回数を随時増やし対応するなど、十分に検査が受けられる体制の確保に努めてまいりました。その後も唾液による
PCR検査の実施や行政検査の範囲の拡大など最大限の努力をしてきたところでございます。 さらに福祉施設の新規入所者等に対する
PCR検査の実施に向けても、現在準備を進めるとともに、この間、医師会との協力体制により区内医療機関における検査体制も拡充してきたところでございます。 小林議員御質問の保育園等への定期的な
PCR検査の実施につきましては、対象者の範囲や頻度、回数等について様々な見解があるところでございますので、引き続き国、都の動向を注視してまいります。 次に、保健所の職員体制に関する御質問にお答えいたします。 これまで他部や東京都からの応援体制を確保するとともに、人材派遣を活用するなど、平日時間外及び土日、祝日を含めた必要人員の確保に努めてまいりました。そのうち、感染者の疫学調査や濃厚接触者の健康観察を行う保健師等の専門職につきましては、全庁的な応援体制を組み、対応できる職員の人数を増やすとともに、出勤時間に時差を設け、毎日朝から夜まで必要な対応ができる体制を整えております。 また、検体搬送等の業務につきましては、他部の職員による応援体制を構築するとともに、検体梱包の業務につきましては、対応できる職員を増やすための研修等を実施しております。 さらに、乳児検診等の保健所における通常業務に影響が出ないようローテーション制を活用し、状況に応じて職員を配置しているところでございます。 区といたしましては、感染拡大の防止に万全を期すとともに、区民が安心して過ごせるよう、引き続き必要な体制の確保に努めてまいります。 次に、医療、介護、福祉施設等に対する迅速な支援に関する御質問にお答えいたします。 区では、医療、介護、障害福祉及び保育サービス等は区民生活を支える大事な社会インフラの一つと位置づけ、他区に先駆けて区独自の手厚い支援を行っております。さらに、感染拡大や
インフルエンザとの同時流行期を迎える状況を踏まえ、従来の広く医療機関全般を支援する体制から、発熱患者の診療や検査を行い、より
感染リスクの高まる医療機関に対して支援を行えるよう、十一月会議において補正予算案を御提案しているところでございます。 これまで区が行ってきた事業は、医療機関や各サービス事業者と定期的に意見を交換しながら創設したものであり、今後も感染の状況や事業者の要望を踏まえつつ、適切かつ迅速に対応していきたいと考えております。 次に、年末に向けた緊急対策のうち、区における年末年始の相談体制についての御質問にお答えいたします。 保健所では、これまで
新型コロナウイルス感染症に対する区民の皆様からの相談対応や医療機関との連携を図るため、土日はもとより、ゴールデンウィーク等の連休中においても、職員が交代で勤務し、対応してまいりました。年末年始につきましても同様の体制とし、二十四時間対応の都の発熱相談センターとも連携することで、より円滑に相談を受けられる体制を構築しております。医療提供体制につきましても、医師会と連携して対応可能な医療機関を確保してまいります。 さらに、区全体といたしましても、各部の相談体制について検討を進めたところであり、今後も区民の皆様の安全・安心のために万全の体制を取ってまいります。 最後に、区の産後うつの現状と対策に関する御質問にお答えいたします。 区では、平成三十一年度から妊婦全数面接・ゆりかご面接を開始しておりますが、面接において、うつ病などの精神疾患の既往歴や妊娠に対する妊婦の気持ちを聞き取る等により妊婦の現状を把握しております。 また、産後には、エジンバラ産後うつ病質問指標を使ってうつ病を点数化することにより、産後うつのスクリーニングを行っております。これらの早期発見対策によりサポートが必要と考えられた場合には、直ちに支援を開始しております。 区といたしましては、今後も
新型コロナウイルス感染症流行で拍車がかかると考えられる周産期うつについて、ゆりかご面接、妊産婦新生児訪問、乳幼児健診等の各種母子保健事業における早期発見、早期支援に努めるとともに、産後ケア事業との連携等、関係部署との協力体制を強化して取り組んでまいります。 〔
産業経済部長石原久君登壇〕
◎
産業経済部長(石原久君) まず、中小事業者への支援に関する御質問にお答えいたします。 区では、本年四月から、
感染予防対策のための設備投資等への補助を補助率を従来の四分の一から二分の一に引き上げて実施しております。また、人件費や家賃に充てることができる資金として、国や東京都が実施した給付金や雇用調整助成金を確実に活用していただくため、六月に雇用調整助成金の申請代行に係る費用の補助制度を創設するとともに、国や東京都の給付金等の申請支援を中心とした専門家による中小企業等相談窓口を開設し、十月末までに千六百七十九件の相談を受け付けております。 次に、融資制度につきましては、国や東京都の融資制度において、既に金利ゼロパーセントの制度が創設されており、本年四月以降、荒川区においては約千五百件がこの制度を利用しております。 区といたしましては、引き続き国や東京都との役割分担を明確にしながら、区内中小事業所への支援に全力で取り組んでまいります。 最後に、住宅リフォーム助成制度に関する御質問にお答えいたします。 区では、耐震診断や補強設計への補助事業を行っております。この耐震補強工事への補助事業では、区内に事業所を有する建設業者による工事を条件にするなど、区内事業者の受注機会の拡大に配慮しているところでございます。 御提案の住宅リフォーム助成制度は、耐震性を満たさない住宅を延命することになり、実施は困難であると考えております。さらに、住宅のリフォームは居住者の判断によって行えるものであり、助成制度を創設した場合の申請主体、また、補助金を受ける対象は個人であり、事業者支援を主体とする産業施策の観点からはなじまないものと考えております。 一方、住宅のリフォームにつきましては、一定の要件を満たす場合には税制による優遇措置が取られており、区といたしましては、新たに助成制度を創設する必要性はないものと考えております。 〔福祉部長片岡孝君登壇〕
◎福祉部長(片岡孝君) 低所得世帯の家賃助成に関する御質問にお答えいたします。 国は、本年四月、
新型コロナウイルスの感染拡大への緊急対策として、住居確保給付金の支給要件を緩和して対象者を拡大、区ではこれを受けて迅速な給付決定に努め、十月末現在、昨年度の三十倍を超える三百九十一世帯に給付を行っております。 区といたしましては、引き続き生活にお困りの区民に寄り添い、適切な相談支援を行うとともに、今後の国における緊急対策の動向を注視してまいります。 次に、介護保険制度に関する御質問にお答えいたします。 介護保険制度は、導入から二十年が経過し、制度の持続可能性を高める取組が必要となっており、国の第八期計画の基本指針においては、地域共生社会の実現が大きな視点として掲げられており、区としても自ら取り組む介護予防といった自助や地域で助け合う共助の取組は大変重要であると考えております。 自助、共助の活動については、活動者の生きがいや介護予防にもつながるため、区ではこれまでも地域活動者の支援を行ってきたところでございます。また、地域ケア会議や家族会など様々な方から御意見をいただきながら、区独自の福祉サービスの開始につなげているところであり、今後も引き続き必要なサービスについて検討してまいります。 次に、介護保険料に関する御質問にお答えいたします。 介護保険料は介護サービスの必要量の見込みに加え、国の指針や制度改正の影響等を踏まえ、介護保険事業に係る費用を推計し算出することになっております。第八期につきましては、団塊の世代が後期高齢者となっていく中で、要介護認定者の増加とともに介護給付費も増加していくことが見込まれるため、介護保険料についても一定の上昇は避けられない状況にあるものと認識してございます。 〔
子ども家庭部長青山敏郎君登壇〕
◎
子ども家庭部長(青山敏郎君) ひとり親家庭などへの給付に関する御質問にお答えいたします。 さきの
緊急事態宣言による子どもの在宅に伴い、子育て世帯の家計負担が増加し、迅速な支援が急務となっていたことから、区では、他区に先駆け、独自の子育て世帯臨時応援給付事業として、児童手当受給世帯に一万円分のQUOカードをお送りいたしました。その際、ひとり親世帯にはさらに一万円分を上乗せし、いち早く支援に努めたところです。 現在、国においてもひとり世帯を支援するため、児童扶養手当受給世帯等に対して臨時特別給付金事業を実施しております。このうち申請が必要となる給付については申請が必要となるため、区では八月の現況届手続の機会等を通じて丁寧に周知を図り、対象の方が給付を受けられるよう対応してきたところです。 直近の報道によれば、感染の再拡大を受け、政府ではひとり親世帯への臨時特別給付金を再度支給する方向で調整に入っているとのことでございます。 区といたしましては、現時点でひとり親家庭へ区独自の給付を行うことを考えておりませんが、今後の国の動向を注視しながら、引き続き支援に努めてまいります。 次に、奨学金貸付制度に関する御質問にお答えいたします。 これまで、区では、高校や大学の受験料等については、東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業の窓口である荒川区社会福祉協議会の紹介を積極的に行うとともに、とりわけひとり親家庭には母子及び父子福祉資金貸付事業の中で、就学資金や就学支度資金の貸付けを行ってまいりました。また、国においても、学生支援緊急給付金や日本学生支援機構による貸与型給付金により支援しております。 区といたしましては、このような支援策の活用について区民の方から御相談があった場合には、支援を行う機関や窓口等を紹介するなど、きめ細やかに必要な支援につなげており、現時点で御質問の奨学資金貸付制度の対象を拡大する考えはございません。 〔
教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕
◎
教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 初めに、小中学校における少人数学級に関する御質問にお答えいたします。 現在、文部科学省では、少人数学級を導入するため、来年度予算編成に向けて調整が重ねられていると承知しているところでございます。 少人数学級を行うことにつきましては、それに応じた教員の配置をはじめ、学級増を想定した普通教室等の確保とそれに伴う財政負担など様々な課題もございますので、区といたしましても、今後の国の動向を注視しながら、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 次に、給食費に関する御質問にお答えいたします。 経済的に困窮している世帯の学校給食費につきましては、就学援助で支援をしており、さらに荒川区独自の取組といたしまして、食材や献立などを工夫した食育推進給食を提供する小中学校に対して補助金を交付するなど様々な取組を行い、給食内容の充実と保護者の負担軽減を図っております。 学校給食の無償化につきましては、自治体独自の施策として実施するのではなく、国や都の施策として広域的に実施することが望ましいと考えております。 教育委員会といたしましては、今後も学校給食事業の適切な運営と給食内容の充実にしっかりと取り組んでまいります。 次に、就学援助に関する御質問にお答えいたします。 荒川区では、就学援助の認定基準を生活保護基準の一・二倍としており、制度の運用に当たりましては、突然の失業や病気、コロナ禍による家計の急激な逼迫など、各々の家庭の状況にも十分配慮して対応を行っております。 また、今年度は入学準備金や卒業アルバム代の支給額を引き上げるなど、支援内容の充実を図っており、現時点におきましては、さらなる対象者の拡大を行う考えはございません。 教育委員会といたしましては、今後も経済的に困難な家庭に対して、多面的な支援を行い、教育の機会均等を図ってまいります。 〔再
開発担当部長松崎保昌君登壇〕
◎再
開発担当部長(松崎保昌君) 西日暮里駅前地区及び三河島駅前地区の再開発事業に関する御質問にお答えいたします。 西日暮里駅前地区においては、鉄道三路線の結節点として不足している都市基盤施設の整備を目標とし、三河島駅前地区においては、木造住宅が密集する周辺地域を含めた防災性の向上を目標とするとともに、両地区とも駅前にふさわしいにぎわいづくりを目指し、再開発事業の検討を進めております。 再開発事業におきましては、商業をはじめ、公益施設及び住宅の整備により複合市街地を作り出すことで、駅利用者を含め、訪れる人、住まう人の双方により活力を生み出すことを目指しております。 区の現有資産につきましては、権利変換により本再開発事業の目的に寄与するとともに、駅前の立地を生かし、区民ニーズを踏まえた使いやすい施設として活用してまいります。 両地区ともに、事業推進に対し、既に八割以上の地権者の方々の合意を得ていることから、区といたしましては、準備組合と連携してより丁寧な説明を行い、さらに御理解を得られるよう努め、早期の事業化に向けて取り組んでまいります。
○議長(
明戸真弓美君) 小林行男議員の質問を終わります。 この際、議事の都合により休憩をいたします。 午前十一時五十九分休憩 午後零時五十九分開議
○副議長(
保坂正仁君) 休憩前に引き続きまして、会議を開きます。 二十九番森本達夫議員。 〔森本達夫君登壇〕
◆二十九番(森本達夫君) 私は、公明党荒川区議会議員団を代表して質問をいたします。 「希望とは、未来を信じる信念である」、これは世界桂冠詩人の言葉であります。大衆とともに歩む私たち公明党は、困難な状況であっても希望を持ち、命を守る政治をさらに進めるため、様々な角度から提案・要望をさせていただきます。西川区長並びに理事者の皆様の積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。 質問の一つ目は、五期目がスタートした西川区政が目指す区政運営の方針についてお伺いいたします。 今月八日に行われた荒川区長選におきまして、西川区長は見事五期目の当選を果たされました。誠におめでとうございます。応援をしてまいりました私たち公明党荒川区議会議員団といたしましても、大変心強く感じた次第であります。 私が申し上げるまでもなく、西川区政はこの十六年の間に、区民が幸福を実感できる地域の実現を目指し、千八百を超える様々な施策を展開し、時には全国に先駆け、時には二十三区を先導する施策を多く実施してこられました。その中には、高齢者が住み慣れた地域で住み続けるための取組や障がい者が幸せに暮らすための取組、次代を担う
子どもたちを守り育む取組、生涯にわたる健康づくり、防災・減災で安心・安全なまちづくり等、我が党が要望してきた数多くの取組が含まれております。これは西川区長が私たちの提案を真摯に受け止め、誠実に対応し、実現に向けて尽力いただいてきたことの証左でもあり、改めて感謝申し上げます。 さて、今、第三波と言われる
新型コロナウイルス感染症の拡大により、区民は大きな不安に包まれ、実際に健康面や生活を送る上でお困りの方が大勢おられます。医療体制をはじめ、経済対策、生活支援、教育環境の確保など早急な対策が求められており、これからの区政運営においても厳しい局面を迎えることが十分想定されます。 そうした中にあって、区には、これまでにも増して耳を研ぎ澄まし、小さな声や声なき声にもきちんと耳を傾け、具体的な形として支援していく、区民に寄り添った区政運営が求められているものと考えています。改めて今後の新たな四年間において、どのような方針の下で区政運営を行っていかれるのか、西川区長の御所見をお伺いいたします。 二つ目の項目として、行政のデジタル化推進について、三点質問いたします。 一人一律十万円を給付する特別定額給付金などの支給に時間がかかったことなど、
新型コロナウイルスの感染拡大で課題が浮き彫りになりました。我が党はこの問題に対して、行政のデジタル化の促進へ、行政手続の完全デジタル化、オンライン診療、学びの保障のためのICT環境の整備など、国・地方のシステムの標準化とデジタルガバメントの推進を国に要望いたしました。 区にあっても、私たち公明党は、以前より教育や防災、児童虐待防止等におけるICTの推進を要望しております。 また一方、図らずもコロナ禍で
テレワークやリモートワークなどのオンラインが普及し、仕事のみならず、教育や医療分野などでも新たな道が開かれました。 デジタル化の効果は大きく、例えば、IT立国を国策に掲げる北欧のエストニアは、行政手続のオンライン化率が極めて高く、日本の一二パーセントに対し、エストニアは九九パーセントであります。行政手続やサービスが一貫してデジタルで完結することを目指しております。効果として、電子IDと電子署名の活用で国内総生産GDPの二パーセントを節約できたとしており、これを日本に当てはめると、約十一兆円に上るコストダウンが期待できる計算になるそうです。 デジタル化は、今後クラウドが主流となり、情報通信技術の活用を通じて社会に変革を促すDX(デジタル・トランスフォーメーション)が注目を集め、医療、教育、交通など多岐にわたる分野でデータを利活用するスマートシティの推進などがなされていくと思います。これを機にデジタル化が社会に広く行き渡れば、私たちの暮らしに多くの利便性を与えてくれるものになります。 しかし、であります。それはデジタルに詳しい人たちだけが恩恵を受けるようであってはなりません。誰もがICTを活用でき、デジタル化の恩恵を享受できる社会を築いていくことが求められております。 そこで、この項目の一つ目として、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた(仮称)荒川区デジタル化推進基本計画の策定についてお聞きします。 ユニバーサルデザインの原則には、誰でも公平に利用できる、使用において自由度が高い、使用方法が簡単に分かる、必要な情報がすぐに理解できるなどが掲げられております。私はデジタル化の肝は、デジタル弱者への強力な支援だと考えております。 日本におけるユニバーサルデザインの先駆者関根千佳氏は、「日本では高齢者が使えないことが電子化を進めない言い訳にされてしまう。海外では逆であり、最初から高齢者も障がい者も使えるよう、使いやすいように作ってこそ、全ての市民が使えると考える」とおっしゃっております。 誰もが取り残されないように、誰もがデジタル化の恩恵を受けるようにすることが大切であります。例えば、高齢者にタブレットや端末を支援し、災害時の防災ラジオのような活用をしていただくとか、高齢者の見守りや健康対策、孤独・孤立対策にも活用するなど、「ICTは令和の回覧板」と言われております。 大阪府高槻市では、高齢者も現役世代と同じスピードで情報を受け取ることができるように、今年から高齢者ICT推進事業をスタートさせております。 また、このほど、我が党の慶野信一
都議会議員の取組により、地域の底力事業の助成対象が拡大されました。高齢化が懸念されている地域活動の担い手である町会・自治会の方々が打合せに必要なタブレットやWi-Fi環境などデジタル化を進めやすくなりました。そのほか、コロナ禍においても安心して日頃の活動が行えるよう、町会・自治会に最大二百万円助成されます。この制度の利用を促して、地域のデジタル化の後押しをしていくべきだと思います。 このように、地域にもデジタル化、ICT化の広がりは進んでいくものと思われます。それらを踏まえ、荒川区は、デジタル化の司令塔となる推進担当の部署を中心に、全ての人に優しいデジタル化のビジョンを描くべきであります。 既に多くの自治体でデジタル化基本計画の策定が進んでおります。板橋区では、(仮称)板橋区ICT推進活用計画二〇二五、宇部市では、宇部市デジタル市役所推進基本計画などを策定しております。 SDGsの「誰も取り残さない」という理念に合致するようなユニバーサルデザインの視点を取り入れた(仮称)荒川区デジタル化推進基本計画の策定を要望いたします。区の見解を伺います。 行政のデジタル化推進の二点目として、書かない窓口、並ばない窓口、おくやみコーナーの設置についてであります。 先日、朝日新聞にこのような投書がありました。お父さんが亡くなり、仕事を休んで、朝一番で介護保険被保険者証などありったけの公的証書を持って役所に出かけた。どの窓口も対応が丁寧で、終わると次の窓口も教えてくれたが、それぞれの書類に同じ内容を何度も記入、午前中では片づかず、昼を挟んでようやく手続を終えたという内容です。 このような課題に対し、利用者に優しいデジタル化の一つとして、千葉県船橋市では、書かない窓口、並ばない窓口、おくやみコーナーを開設し、利用者サービスと業務の効率化を両立しています。先日、公明党区議団として船橋市へ視察させていただき、実際にその便利さを実感してまいりました。 書かない窓口とは、申請書作成支援窓口のことで、転入、転居などの申請に訪れた住民が戸籍住民課を訪れた際、職員が申請の内容を聞き取りしながら、カウンターに設置されているパソコンで入力し、申請書類の作成を開始します。その際、マイナンバーカードを持っていれば、磁気情報から住所、氏名、生年月日、性別などは自動的に入力され、画面の案内に従って来庁者の面前でヒアリング項目をチェックまたは入力していくと、その人の必要に応じた申請書類、例えば児童手当関係の申請書や身障者手帳、国民健康保険など様々な部署の申請書が同時にまとめて作成されます。来庁者は出力された申請書に氏名だけを署名し、それぞれ関係する該当部署に提出に行くだけです。手続案内のワンストップ化が実現し、来庁者が複数の窓口で個別に申請書を書く必要がなくなっただけでなく、それら複数の申請書に住所などを何度も手書きで記入する負担も減り、窓口での待ち時間も短縮されました。 このように、部署をまたいだ書式の作成が一つの窓口で行えるようになったことは、我が党の保坂議員が平成二十九年決算に関する
特別委員会で区に要望している行政のワンストップサービスにつながるものでもあります。 今後の可能性として、現在は来庁者と職員が共同で作成するスタイルを取っていますが、例えば庁舎内に来庁者用のパソコンを配置して自ら入力できるようにすることや、市のホームページにこのソフトを搭載して自宅からオンラインで申請書類を作成できるようにするなどということも技術的には十分可能であるそうです。書かない窓口は、導入や実証実験をする自治体が増えております。 次の利用者に優しいデジタル化として、並ばない窓口を提案いたします。 荒川区でも、窓口で自分の順番を椅子に座って待っておられる区民の姿が見られます。日によっては何十分も待つ場合もあります。これらの対策として、船橋市の窓口では、順番が書かれた番号札に読み取りコードがあり、スマートフォンなどの端末で読み取ると、その場を離れても、自分の番があとどれくらいであるのか携帯端末などで確認することができ、時間を有効に使うことが可能となります。 さらに、この船橋市の窓口では、我が党の松田智子議員が令和元年六月会議で区に設置を要望しておりますおくやみコーナーがあります。船橋市では、予約が可能で、最大一時間集中しておくやみ関係の相談に乗ってもらえます。 面白いのは、案内表示がロールスクリーンになっており、窓口が混んでいるときはスクリーンを上げ、戸籍課の窓口としても使っている点です。こういったおくやみコーナーをぜひ荒川区で導入するべきだと思います。 区役所に行かなくてもよい、区役所で書かなくてもよい、区役所で待たなくてもよい、利用者の立場に立ったスマート自治体荒川を目指していただきたいと思います。書かない窓口、並ばない窓口、おくやみコーナー導入を提案・要望いたします。区の見解を伺います。 最後に、教育のデジタル化推進についてであります。
新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から学校が休校となり、在宅学習やオンライン授業の必要性が話題となりましたが、今後、教育においてもデジタル化が様々な角度で進んでいくと思います。 埼玉県鴻巣市は、教育ICT基盤をクラウドサービスへ全面的に移行すると今年の八月に発表。ネットワーク環境が利用できる場所であれば、どこからでも学べる環境を構築し、
新型コロナウイルスなど感染症対策や災害などによる休校措置にも対応できるようにする計画を進めております。 荒川区の教育のデジタル化については、先日、第一日暮里小学校に公明党の鰐淵洋子文部科学大臣政務官がデジタル教科書の活用を視察され、慶野信一
都議会議員と私も同行させていただきました。 鰐淵政務官は、
子どもたちがデジタル教科書を上手に使い、問題に取り組んでいる姿を見て、デジタル教科書の有効性を確認できたとおっしゃっておられました。教育のデジタル化についても、これからのデジタル化は、授業の質向上を図る手段であり、効果的な活用を進めますと発言されております。
子どもたちにどこよりも早くタブレットを用意し、教育のデジタル化の先駆けをしている荒川区として、今後、オンライン環境の整備をはじめ、デジタル教材の活用、教職員校務の完全デジタル化も含め、教育のデジタル化を的確に推進していただきたいと思います。区の見解を伺います。 以上で一回目の質問を終わります。 〔区長
西川太一郎君登壇〕
◎区長(
西川太一郎君) 御質問にお答えする前に、個人的感想でございます。立派になられたなと。幼稚園の頃からよく存じ上げていて、お父上は私の御近所に御勤務でございましたし、私の母方の祖父母が森本家にはたくさんお世話になりました。感慨を強く感じます。ありがとうございます。 さて、私は、このたび多くの区民の皆様の御信任をかたじけなくいたしまして、五期目の区長職に就かせていただくことになりました。 これまでの十六年間、私は、区政は区民の皆様にお幸せになっていただくためのシステムであるというドメインを掲げて、しっかりと努力をしてきたつもりであります。しかし、まだまだ不十分な点もあるだろうと存じますので、会派を超えた荒川区議会議員全員の皆様の御指導をいただきながら、さらに地域の全体の発展のために努力をしてまいる覚悟でございます。 今、御質問にありました、大変重要な課題もこれからよく議員の先生方の御意見や各会派の御要望などを真正面から受け止めさせていただきまして、皆様方が本当に荒川区政に注いでおられる真摯な情熱に応えさせていただくことが私の最大の務めであると心得て頑張ってまいりたいと存じます。 長期化しております
新型コロナウイルス感染症に対する取組は極めて重要であります。私どもは、区を挙げて、保健所行政をはじめ、東京都のお力や厚生労働省のお力などをお借りしながら、こうした問題に適切・適宜にタイミングをずらすことなく取り組んでまいりたいと思います。こうした姿勢によって、区民の皆様の御不安やまた困難を幾分でも和らげていくことが大切だと考えておりますので、しっかり頑張ってまいりますことを、御質問にお答えする機会をいただき、表明をさせていただく次第でございます。 これから区民の皆様が本当に荒川区に住んでよかったと、温かい笑顔と、そして、近隣の方々と心通い合うすばらしい生活をこの荒川区の地で送っていただきますことを私の最大の仕事として努力をしてまいる所存でございます。 結びに、引き続きながら、区政の進展のために、会派を超えた一層の御尽力を賜りますよう、この機会に御質問に沿ってお願いを申し上げる次第であります。 もう一度申し上げます。小さい頃からよく存じ上げている森本さんがこんなに立派になられて、きっと御一族皆さん、お喜びだろうと思います。私の母方の祖父母が大変お世話になりましたことを、極めて個人的でありますが、ここが区議会のよいところだと思います。この席をお借りして御礼を申し上げます。 これ以外の御質問につきましては、
関係理事者から答弁をさせていただきます。ありがとうございました。 〔教育長高梨博和君登壇〕
◎教育長(高梨博和君) 教育におけるデジタル化の推進に関する御質問にお答えいたします。 今日、人工知能やビッグデータをはじめとするICTがあらゆる場面で取り入れられ、社会の
在り方そのものが劇的に変化する時代が到来しようとしています。 教育におきましても、国のGIGAスクール構想やデジタル教科書の検討などが進められ、今般の
新型コロナウイルス感染症対策といたしましても、タブレットパソコンが家庭学習支援のツールとして大変有効であることが明確となりました。 教育委員会におきましては、全国に先駆けてタブレットパソコンを導入し、御視察いただきました第一日暮里小学校におけるデジタル教科書の活用に加え、デジタルドリルコンテンツや教員用デジタル教科書の導入を進めてございます。 また、議員の御指摘にもありました校務のデジタル化につきましては、ICTを効果的に活用することで、学校事務の効率化と教職員の働き方改革につながるものと考えており、教員用校務支援ソフトの導入等も進めてまいったところでございます。 教育委員会といたしましては、今後とも御質問の趣旨を踏まえ、全ての児童・生徒が学校でも家庭でもICTを効果的に活用して学びの力を高めるとともに、教員が子どもと向き合う時間を確保する観点から、教育のデジタル化を積極的に推進してまいります。 〔管理部長梅原一彦君登壇〕
◎管理部長(梅原一彦君) デジタル化推進基本計画に関する御質問にお答えいたします。 行政のデジタル化につきましては、国においてデジタル手続法を改正し、マイナンバーカードをデジタル化の基盤と位置づけ、行政手続のオンライン化を進める方針を打ち出しております。併せて行政手続全般を迅速化するため、自治体業務システムの全国標準化や書面、押印、対面が求められていた手続の規制緩和が進められております。 このようなデジタル化の流れにより、今後様々な行政手続が、区民の方々が来庁せずに自宅などからパソコン、タブレット、スマートフォンなどを使ってできるようになっていくものと考えております。 デジタル化の理念は、全てのものがあらゆる活動において情報通信技術の利便を享受できるようにすることであり、御質問のように、誰もが利用しやすいシステムとなるよう整備を進めていく必要がございます。 具体的には、システムを分かりやすく、使いやすくすることはもちろんのこと、講習会などを通じた利用者支援などの対策が必要になってまいります。併せて、オンラインでの手続が困難な方や、相談の内容によっては、これまでと同様に窓口での職員によるきめ細かい対応を行う必要があると認識しております。 地域のデジタル化を含め、区民に寄り添ったデジタル化を進めていくためには、各課での事務改善などの取組が必要になってまいります。このため、デジタル化の旗振り役、調整役、各課のサポート役としての情報システム課の役割は、今後一層重要になっていくと考えております。 区といたしましては、国が主導するデジタル化の動向を注視しつつ、他の自治体の成功事例を積極的に取り入れながら、ユニバーサルデザインの視点を踏まえ、利用者に沿ったデジタル化に向けた推進策について、御提案の計画の策定も含めて検討してまいります。 〔
総務企画部長五味智子君登壇〕
◎
総務企画部長(五味智子君) 窓口に関する御質問にお答えいたします。 区は、これまで、目的の窓口に速やかに案内するコンシェルジュの配置や、待合スペースのレイアウトの変更など来庁者のサービス向上のため、様々な工夫を重ねてまいりました。しかしながら、複数の窓口に足を運んでいただくなどの課題があり、さらなる改善の必要があるものと認識しております。 こうした状況を踏まえ、現在、窓口改善の検討に向け、関係部署へのヒアリングを通じて課題の洗い出しを行っているところでございます。今後、ヒアリングの内容を踏まえ、専門家の意見や先進自治体の事例などを参考にしながら、来庁せずに手続ができる電子申請の拡大なども含め、利便性の高い窓口への改善に向けて取り組んでまいります。 また、戸籍住民課において、窓口に来られた御遺族に届出後の諸手続を取りまとめたパンフレットを活用し、丁寧に御案内をしております。今後も御遺族の気持ちを第一にくみ取りながら、負担軽減につながるよう努め、さらに寄り添った対応を行ってまいります。 区といたしましては、国の押印省略やデジタル化の動向を注視しつつ、中長期的視点に立って、全ての方が利用しやすい行政サービスの提供方法について検討を重ねてまいります。
○副議長(
保坂正仁君) 森本達夫議員の質問を終わります。 三番夏目亜季議員。 〔夏目亜季君登壇〕 〔副議長退席、議長着席〕
◆三番(夏目亜季君) 本日、一般質問をさせていただきます維新・あたらしい党会派、NHKから国民を守る党の夏目亜季です。このたびはこのようなお時間をくださり、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス第三波とも言われている今、なかなか油断できない状況が続いておりますが、区長をはじめ区職員の皆様、医療従事者の皆様、その他関係者の皆様、皆様の献身が日々の区民生活を支えていると思っております。心から敬意を表し、感謝申し上げます。 そして、西川区長、五期目の御当選おめでとうございます。困難な時代に入りましたが、荒川区、荒川区民の幸せのために一緒に頑張らせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。 さて、質問に入ります。 HPVワクチンについてです。 当選した当初から、政治家としても、子宮頸がん患者当事者としても、ずっとこの問題に取り組んでおりますが、最近ではずっと議会でも提言してきたHPVワクチン接種対象者への個別通知が始まりました。 現在、荒川区では、厚生労働省の製作した新たなリーフレットの個別配付をしています。副反応の報道に続く積極的接種勧奨の差し控えから七年が経過も、悪いイメージのまま、諸外国に比べ接種率が断トツに低い状況で、患者も死亡率も年々上昇傾向にあります。 ワクチン接種の積極的勧奨は今は差し控えられているものの、公費で受けられることを知らないまま機会を逃してしまい、自費で受けると高額で、打ちたいのに打てないと断念する方も多いと聞いていました。一斉にほかの自治体もやっているわけではない中で、対象者への個別通知が早々に始まったので、荒川区は勇気を出して一歩早く踏み切ってくださったと、大変うれしく思っています。 令和元年、令和二年現在での対象児童のHPVワクチン接種人数を教えてください。 また、望んでいた九価ワクチン「シルガード9」の承認もされました。国のほうでもHPVワクチンについて少しずつですが、前に前に進んできているように思います。 ヒトパピローマウイルスは百種類以上あり、その中で子宮頸がんなどを引き起こすハイリスクのウイルスは、十六型や十八型など約十五種類とされています。このうち二種類のウイルス感染を防ぐのが二価ワクチン、四種類のウイルス感染を防ぐのが四価ワクチン、九種類のウイルス感染を防ぐのが九価ワクチンとなっております。 定期接種の対象が二価ワクチン、四価ワクチンとなっており、小学校六年生から高校一年生の方が受けることができます。二価ワクチン、四価ワクチンの予防率は七〇パーセント前後と言われておりますが、新たに承認された九価ワクチンでは九〇パーセントの予防率と言われており、世界では主流となっております。WHOからも安全性と有効性が認められています。 現在、荒川区では九価ワクチンが打てるところはありますでしょうか。HPVウイルスの種類やワクチンの種類など、親御さんもよほど詳しくないと分からないとは思っていますが、接種を積極的に勧めるのではなく、知識として九価ワクチンの効果や安全性などを広報することはできませんでしょうか。 現在、HPVワクチンの公費での対象者は小学校六年生から高校一年生の女子生徒のことから、子宮頸がんワクチンは女性のためのワクチンというふうな認識でいる方が多いように感じます。実際に男性がこのワクチンを打っているのは、国会でもこの問題に取り組んでいる音喜多議員や著名な方であれば堀江貴史さん、医療従事者など、よほどこの問題に関心のある方のみしか男性でワクチンを接種している方は存じません。 しかし、ヒトパピローマウイルスに女性は生涯八〇パーセント感染すると言われていますが、男性はもっと多く、九〇パーセントと言われています。女性を子宮頸がんから守るために、相互に感染させないための予防もそうですが、男性におけるHPVを原因とする肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんなど悪性腫瘍のほか、コンジローマなど良性のHPV関連病変の予防を目的とし、オーストラリアやニュージーランド、ペルー、メキシコなど男性も普通に接種している国もあります。 もうHPVは女性だけの問題じゃありません。子宮頸がんワクチンといえば、なじみがあって分かりやすいですが、HPVを予防するワクチンのわけで、このHPV自体は男女共通で感染するものであり、がん化しやすいハイリスクなものに女性は男性より多く罹患してしまいますが、男性にも関わることなので、もっと当事者の意識を強く持ってほしいと思っています。 先日、区の定期接種の欄を見ていたら、子宮頸がんワクチンとの表記でした。これらのことから、今後は何事にも広報する際は分かりやすく、「子宮頸がんワクチン」と記載する場合に、(HPV)と記載するか、HPVワクチンと正しく記載してほしいと思いますが、いかがでしょうか。 そして、男性にも、女性の問題でしょう、副作用で騒がれた怖いワクチンでしょうと、他人ごとではなく、男性も生涯でHPVに九割感染していること、中咽頭がん、肛門がんなど、HPV関連病変のこと、男性でもワクチンを打つことができることなどを普及啓発し、男女ともにワクチン及びHPVに対して正しい知識を持つように努めていただきたく思いますが、見解を伺いたいと思います。 続いて、ライトアップを使った普及啓発について質問させていただきます。 先日の十一月二十二日は子宮頸がん検診の啓発として、白と水色のティールアンドホワイトカラーのライトアップをしてくださりありがとうございました。ティールアンドホワイトリボンというのは、子宮頸がん啓発活動のシンボルとして、アメリカを中心に世界中で活用されています。 今後も子宮頸がんの予防啓発として、四月九日の子宮の日や東京都では三月一日から八日を女性の健康推進月間として予防啓発に取り組んでいるとのことなので、今回に限らず、荒川区でも都度都度やっていただきたいと要望します。 京都市では、二〇二〇年十一月十七日、子宮頸がん制圧に向けたWHOの世界戦略記念イベントとして、京都タワーや二条城など、子宮頸がん啓発活動のシンボルカラーであるティールアンドホワイトにライトアップするとともに、その点灯式を京都駅ビル駅前広場で開催し、点灯式では副市長も登壇されるなど、普及啓発にかなり力を入れておられます。 この十一月十七日にWHOが新たに掲げた目標は、子宮頸がん撲滅に向け、HPVワクチン接種率を二〇三〇年までに十五歳以下の女子の九〇パーセントにまで高めるという内容でしたが、現在の日本での接種率は一パーセント未満と、WHO加盟国でありながら、日本では到底難しい目標であると思います。 荒川区でも一自治体として、これまで以上に子宮頸がんの普及啓発に取り組んでいただきたく思います。あらかわ遊園のライトアップのほかにも、民間や医療従事者などと協力し、盛大なライトアップや性教育の強化、オンラインイベントなどを実施、それらを要望しますが、目標を達成するためにはどのようなことを考えておられますか。また、今後計画している取組があったら教えてください。 続いて、荒川区の観光施策についてお聞きしたいと思います。 現在、コロナ禍において、区ではまだ大多数集まるイベントやライブのあるようなイベントは再開されておらず、まだしばらく元のようには戻れないことは承知しているところですが、現在、オンラインなどを活用したイベントで区が力を入れていることはありますでしょうか。 例えば、昨年はなかなか観光大使の方々も忙しくてイベントに参加するのが難しかったなどもありましたが、今年はオンラインを活用して荒川区をPRしたり、区民と触れ合えるような機会もあったらなと思っています。オンラインであれば、現場の行き来など時間的拘束も比較的少ないですし、皆さん協力してくれるのではないかなと考えますが、今年は観光大使の皆さんはどんな活動をしていますでしょうか。今後、オンラインイベントでの区民との触れ合いなども検討していただくことは可能なのでしょうか。 そして、アニメや漫画をはじめとする日本のポップカルチャーは日本国内のみならず、海外においても、若い世代を中心に人気を集めています。鬼滅の刃、ワンピース、ナルト、ドラゴンボール、ポケットモンスターなど、日本のみならず、世界中から大人気です。 熊本県では、平成三十年四月十五日に熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎氏に世界に誇る偉大な功績と復興支援への御尽力をたたえ、熊本県民栄誉賞を贈呈し、その栄誉を県民やファンの皆様と末永くたたえていくため、県庁プロムナードに漫画ワンピース・ルフィの像が設置され、「麦わらの一味」が県庁舎をジャック。期間限定で、県庁舎をワンピース仕様に変え、来庁される方々を感謝の気持ちでお迎えするなんていうことがありました。二〇二〇年八月二十九日の毎日新聞の記事によると、ルフィ像による経済効果は年間約二十六億円だそうです。 また、鳥取県境港市では、市役所のホームページに「魚と鬼太郎の町」と記載があり、駅前の商店街はつぶれる一歩手前というところで水木しげる記念館を造り、商店街の両脇に鬼太郎や妖怪たちのブロンズ像を設置して、「水木しげるロード」と名付けられています。およそ八百メートル続く駅前の商店街にあり、両側には百五十三体ものキャラクターのブロンズ像が設置されており、一体造るのに必要な経費は百万円、八十六体目までは市が設置しており、その後は寄附金によって造られております。こちらも年間二百万人ほどの観光客、そして、試算では百二十億円の経済効果をもたらしています。 コロナ禍において区の財政が悪化している今こそ、新たな試みとして、今後は荒川区独自のポップカルチャーにちなんだ、分かりやすい観光スポットも必要なのではないかなと思います。 荒川区でも、アニメや漫画に関係する著名な方がいます。例えば、野沢雅子さんは荒川区芸術文化振興財団の取材でも日暮里出身と公言されています。野沢雅子さんは「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎や「銀河鉄道999」の哲郎、「ドラゴンボール」の主人公孫悟空など、その他多くの名だたる人気アニメの声優をされている世界に誇れる日本のレジェンド声優です。海外からの来客の多い日暮里繊維街とも相性ばっちりかと思います。野沢雅子さんの生い立ちやこれまでの台本など、ファンが喜ぶお宝を展示した記念館もいいなと思っています。 今のは一つの例えですし、ここ数年、もしかしたら人が集まるようなことはできないかもしれませんが、今後、以前のように日本に活気が戻ったときに備えて、このように荒川区でもポップカルチャーとコラボした観光スポットをぜひ御検討いただきたく思います。 以上で私の一般質問は終わります。ぜひとも前向きな御答弁のほう、よろしくお願いします。 〔健康部長石原浩君登壇〕
◎健康部長(石原浩君) 初めに、HPVワクチンに関する御質問のうち、まず九価ワクチンの接種状況及び普及啓発についての御質問にお答えいたします。 現在定期接種に用いられているHPVワクチンは、十二歳となる日の属する年度の初日から十六歳となる日の属する年度の末日までの間に三回接種することとなっており、接種件数は、令和元年度は八十五件、令和二年度は九月末現在で把握している件数は八十四件です。 九価ワクチンの接種可能な区内医療機関につきましては、現時点ではないものと思われます。 九価ワクチンは、本年七月に新たに承認されましたが、現在では個人輸入により入手し、副反応が起こった場合も含めて自己責任で接種する状況にあるため、民間の情報では、都内全体でも二十か所となっております。 九価ワクチンは今後、国家検定等必要な手続を経た後に国内販売が可能になれば任意接種として接種できるようになり、さらに国の審議会において承認されて、初めて現行の二価と四価ワクチンと同様に定期接種として接種が可能となります。 したがいまして、区といたしましては、九価ワクチンの効果や安全性についての広報は、国の承認を得てからの対応になるものと考えております。 次に、ワクチンの表記に関しましては、厚生労働省に合わせて区ホームページ上の表記を「HPVワクチン」に改めており、今後も表記の統一を図ってまいります。 次に、男性に対するHPVワクチンの普及啓発につきましては、ヒトパピローマウイルスが女性の子宮頸がんだけでなく、男性の中咽頭がん等の原因にもなるとされており、海外では七十か国以上でHPVワクチンの男子への接種が承認されているとのデータもありますが、国内では未承認の状況です。 区といたしましては、男性に対するHPVワクチンの普及啓発は、国の定期接種化を待ってから行うものと考えております。 次に、ライトアップ等による子宮頸がん予防の普及啓発に関する御質問にお答えいたします。 子宮頸がん予防につきましては、各関係団体において、子宮頸がん予防啓発強化月間等を定め、普及啓発を行っている状況です。 区におきましては、今年度初めての試みとして、十一月二十二日日曜日の日没から午後八時まで、あらかわ遊園の観覧車を米国をはじめとする海外や日本対がん協会等で使用されている子宮頸がん検診啓発のシンボルカラーでもあるティールアンドホワイト、白と水色のカラーにライトアップいたしました。 また、平成三十年度からは、区のがん検診事業の協力医療機関であり、がん診療連携拠点病院でもある日本医科大学附属病院から、小中学校における区のがん教育への医師派遣について御協力をいただいております。令和元年度には夜間中学校において、易しい日本語と英語での啓発を実施しております。 区といたしましては、今後も国や都、他自治体等の取組を注視しながら、また、
民間事業者とのタイアップなども視野に入れ、若者世代に子宮頸がん検診の重要さを認識していただき、より多くの区民の方にがん検診を受診していただけるよう、引き続き普及啓発に努めてまいります。 〔
産業経済部長石原久君登壇〕
◎
産業経済部長(石原久君) まず、オンラインを活用したイベントに関する御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、以前のように人を集めた形でイベントを開催することが困難となる中、これからの観光施策は新しい生活様式に対応した形での取組が求められているものと考えております。 このような状況を踏まえ、区におきましては、従来から実施しているウェブ上で申込みが可能なフォト俳句コンテストなどに加え、関係各部と連携し、日暮里道灌まつり、交流都市フェア、くしろマルシェなどのイベントをインターネット等を活用して実施いたしました。 日暮里道灌まつりでは、ゆいの森や西日暮里ギャラリーにおけるパネル展示のほか、ウェブ上に太田道灌にゆかりのある自治体や団体の御紹介及び特産品の販売を行う特設ページを作成するなど、区の観光資源の一つである太田道灌の魅力をより多くの方々に知っていただくための新たな取組を行ったところでございます。 また、現在休止しているまち歩きツアーに代わり、家にいながらにして、まち歩きの雰囲気や魅力を感じていただけるよう、区広報番組において地域のまち歩き特集を制作し、放送後、オンラインで配信する予定でございます。 こういったオンラインを活用した取組により、これまでイベントの実施場所や時間帯等の制約により御参加いただけなかった方々の御利用も期待できるものと考えております。 区といたしましては、
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ますます利用者が増加していくことが見込まれるインターネットを活用したイベントに今後も力を入れ、区の観光施策に取り組んでまいります。 次に、観光大使によるオンラインを活用した区のPRに関する御質問にお答えいたします。 区におきましては、都電沿線のバラ、あらかわ遊園、日暮里繊維街、ゆいの森あらかわなど様々な観光名所があり、従来からの紙媒体のほか、近年はオンラインも活用し、これらの知名度向上やイメージアップに取り組んでいるところでございます。 具体的には、区内の代表的な観光スポットや公共施設などを掲載した観光パンフレットのほか、区内まちあるきマップ、ものづくり見学体験スポット紹介冊子などをオンラインで公開し、今年の三月には、区内の観光スポットのほか、まちあるきのモデルコース検索、フォトラリーなど散策を楽しめる機能も備えた観光アプリを新たに配信いたしました。 観光大使の方々には、区の各種イベントや区政に関するお知らせなどを毎月お送りし、区の取組の最新情報を継続して御提供するとともに、各大使のそれぞれの御活動の場面におきまして、区のPRをお願いしているところでございます。 今年は、区が新たに立ち上げたモノづくりブランドのPR動画に御出演いただいたほか、区外において大使の方が開催した絵画の個展におきまして、荒川区の風景を会場の中心に据えていただくなど区のPRに御協力いただいております。 区といたしましては、大使の方々によるPRも含め、オンラインを活用した取組など、様々な手法により区の魅力向上及び魅力の発信に努めてまいります。 最後に、アニメなどのポップカルチャーとコラボした観光スポットの創設についての御質問にお答えいたします。 日本の漫画やアニメ、映画などのポップカルチャーにつきましては、若い世代を中心に大きな支持を得ており、世界的にも注目されております。観光振興の手法の一つとして、そのまちにゆかりのあるポップカルチャーを活用した観光スポットづくりや観光PRが各地域で行われており、区におきましても注目しているところでございます。 一方で、こういった手法による観光振興を行う場合におきましては、どういったコンテンツを選定すべきかといった点のほか、著作権などの権利者の許可の取得、それに関連する費用面などの課題に加え、最近の事例では、アニメの舞台となった場所に多くの方々が密集することにより交通の危険が発生したり、地域住民の生活の平穏を脅かしてしまうといったオーバーツーリズムの問題もございます。 区といたしましては、観光振興の一つの手法として、これからの課題も含め、先進自治体の事例や効果などを研究してまいります。
○議長(
明戸真弓美君) 残時間一分でございます。
◆三番(夏目亜季君) 御答弁ありがとうございました。 子宮頸がんに関しては、本当に今年に入ってから様々な動きがあって、個別通知も始まったということで、これまで以上に区民の理解や認知度も深まったと思います。 また、それらのことから、これまでとどのように違うのかということをアンケート調査を実施したりとか、男性のHPVについての普及啓発も、男性のワクチン接種が国内では未承認ということにこだわらず、男女ともに関係するウイルスであるということは伝えていただきたいと思います。 観光についても、先ほどもおっしゃっていたオーバーツーリズムになってしまうという課題はありますが、荒川区にはこんなコンテンツがあるという区民の幸せや誇り、経済効果などバランスも引き続き考えながら御検討をお願いしたいと思います。 今後も引き続き要望や提案をしていきます。ありがとうございました。
○議長(
明戸真弓美君) 夏目亜季議員の質問を終わります。 二十六番清水啓史議員。 〔清水啓史君登壇〕
◆二十六番(清水啓史君) 民主ゆいの会、清水啓史です。 令和二年度荒川区議会定例会・十一月会議に当たり、四項目について質問をいたします。 まず第三波の状況にある
新型コロナウイルス感染症の対策についてお聞きをいたします。 この間、医療関係者、そして社会生活維持のために従事をされている方々、そして、その対応に当たられている区の職員の方々に感謝を申し上げます。 感染者数は連日のように過去最多を更新し、そのペースは明らかに加速をしています。これを受け、国はGoToキャンペーンの運用見直し、東京都も飲食店に対し時短要請を行いました。 当初より指摘をされてきたこの第三波でありますが、この状況について、いつ減少に転じることができるのか、まだ見えない状況です。 区は、これまでも
PCR検査の拡充に取り組み、感染者が発生した際にも、感染者との濃厚接触者のみに絞るのではなく、周りの接触者の方にも検査を実施するなど、区民の不安払拭のための対応を取ってきました。 現下においては、改めて一人一人の適切な対応が重要であり、併せて区としても、感染者やその方の家族、周りの方々の健康を守る、安心を与える対応がなされていくことが大切だと考えます。 併せて、今年の予算に関する
特別委員会の折にも申し上げましたが、どういった状況のときにどのような対応をしていったのか、いつ、どこで判断決定をしていったのか、今後の将来のためにも、きちんとした検証ができるような経過を残していくことが大事です。
新型コロナウイルス感染症に伴うこれまでの荒川区としての取組と、この第三波となった現状における今後の区としての対応について、見解を伺います。 二つ目は、令和三年度以降の荒川区実施計画についてお聞きいたします。 荒川区基本構想を実現するために作成をされた荒川区基本計画、その示す方向性を具体的に推進していくために位置づけられているのが実施計画です。そして、この実施計画は次年度から新たな期間となります。 新型
コロナ感染症により大きく社会が変化をしている中にあって、次年度以降の実施計画作成に当たっては、これまでどおりの延長のままで目標を立てて作成をしていけばいいというわけにはいかないのではないでしょうか。 例えば、この計画の中には、「窓口サービス等の充実」と掲げ、区民事務所における取扱件数を増やすことを目標値として示しています。先ほど森本議員の中にもこの窓口のことについて質疑がありましたけども、私も六月の本会議の折で、窓口に来る人を増やすというこの考えでいいのかということについて取り上げました。印鑑が必要な書類の見直し、オンラインによる申請やSNSによる相談対応等、新しい生活様式に合った地域社会、住民サービスのスタイルをよい意味で構築していくことについて、その折にも質疑をいたしました。 国もデジタル庁の創設や押印の見直し等を進めています。今、申し上げたように、その指標についてもそうですし、その設定の在り方は別の議論にしても、設定していた目標値も柔軟に修正をしていくことが場合によっては必要だと思われます。 取り上げる事業の追加・変更等も含め、社会変化に適応した内容となることが求められていると考えます。どのような方針の下に次年度以降の実施計画を取りまとめていくのか、見解を伺います。 三項目目は、指定管理者制度についてお聞きします。 平成十五年(二〇〇三年)から始まったこの指定管理者の制度、この間も折々に制度の問題については議会から指摘があり、本部経費等の問題等も改善が図られてきました。 今年九月の文教・
子育て支援委員会では、清里高原ロッジ・少年自然の家の指定管理者が受託期間中に撤退する旨の報告がありました。また、十月の同委員会では、
コロナ感染症の影響によって、それぞれの施設について、減収補償についての報告もありました。一方、十一月の建設環境委員会では、三河島の自転車駐輪場の指定管理事業者としては常に赤字の現状であることも質疑の中で明らかになりました。 指定管理者制度は、民間のノウハウを活用し、区民サービスの向上を図ることと管理運営経費の削減を図ること、この二つを主眼として、今、全国の各自治体で導入がされています。しかし、果たして本来の目的どおりに機能しているのでしょうか。もちろんそれが本来の狙いどおりにいっているのであればよいのですが、管理職の皆さんや区職員の方々にとっては、かえって現場のやり取りが増え、書類作成も増え、仕事量が増えてしまっただけだということにはなっていないのでしょうか。 指定管理業者には、区民サービス向上となる施策を前向きに様々展開してもらい、適正な雇用環境の下、さらに収益を上げてもらう。近江商人の経営哲学、「三方よし」、つまり売手もよし、買手よし、世間によしと言われています。それと同じように、区民にとってサービスが向上してよし、行政にとっても経費が削減をされてよし、
民間事業者にとってもきちんと収益が上がってよしという状況が望ましい形なのではないでしょうか。 いずれにしても、今、浮かび上がっている課題については改善をしていかなければならないと考えます。 地方自治法第二条十四項、地方公共団体は最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないというようになるには、指定管理者制度しかないのか、指定管理者制度によって施設等を運営管理するのであれば、どうすればその本来の意義を生かすことができるのか、改めて再考していく必要があると考えます。指定管理者制度について、区の見解を伺います。 最後に、児童・生徒の話す力の向上についてお聞きいたします。 ここで言う「話す力」とは、「言葉によって伝える力」です。読書活動、調べる学習など、荒川区の教育委員会では、学校現場等を含めて、様々な取組をこの間されてきました。こういったインプットしたものをどうアウトプットしていくのかという視点も重要だと思います。 具体的には、読んだこと、学んだこと、分かったこと、考えたことを相手に正確に、そして他者に響くように伝える力を育んでいくということです。プレゼンテーション能力もその一つです。 機器を使いこなすこと、少なくとも使うことなどは、もう誰もが当たり前にできる時代に既になってきているのだと思います。しかし、言葉で伝える力はそれとは違います。しっかりと身につけられるようにしていくことが大切だと考えます。 そして、そのことは進学であったり、就職活動であったり、社会人としても今後生きていく中で大切な力の一つでありますし、これからの社会においては、より求められてくるのではないでしょうか。 荒川区学校教育ビジョンの中では、
子どもたちが将来、自分の夢を叶えることができるよう、学力の向上を目指し、基礎学力及び思考力、判断力、表現力等を伸ばしますと掲げています。そして、学力の三要素の一つに表現力を挙げています。 表現力を養うということは、その目的は、すなわち他者に伝えるためということではないでしょうか。 荒川区教育ビジョンの実現に向けて取りまとめられている第一期の学びの推進プランは、今年度までの計画です。来年度以降の第二期学びの推進プランの中に、「伝える力」ということをうたい、各学校等の中でぜひ育んでいっていただきたいと考えます。児童・生徒の話す力、伝える力の向上について、荒川区教育委員会の見解を伺います。 以上四項目にわたり答弁を求めて、質問を終わります。 〔健康部長石原浩君登壇〕
◎健康部長(石原浩君) 第三波の状況にある
新型コロナウイルス感染症の対策に関する御質問にお答えいたします。 区では、これまで一月三十一日に
新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、区民の安全・安心を守るべく、全庁を挙げて
新型コロナウイルス感染症対策を行ってまいりました。 まず相談体制につきましては、当初から専門の電話相談窓口を設置し、区民の皆様からの体調や予防対策に関する相談に対応するとともに、平日夜間、土曜・日曜・祝日におきましても、都と連携しながら電話による相談体制を図ってまいりました。さらに九月からは人材派遣を活用するなど、相談体制の強化に努めてまいりました。 発熱等の症状が見られる区民の方に対する
PCR検査につきましては、荒川区医師会の全面協力の下、PCRセンターを四月三十日に開設し、
かかりつけ医からの検査依頼に全て応えることができております。 また、行政検査における濃厚接触者に対する
PCR検査につきましても、国が示す実施要領に基づき、症状経過や患者との接触時期などを医師が十分見極めた上で、適切なタイミングで検査を行っております。施設等において感染者が発生した場合においては、関係部署と連携を図りながら、検査対象者についても幅広く対応するなど、速やかに感染者を発見し、施設等におけるクラスターの発生を未然に防止するための取組に努めてまいりました。 普及啓発につきましては、ホームページや区報等の広報媒体、窓口での掲示、イベント時の周知等を通じて広く区民に対し、手洗いやマスク着用、せきエチケットを励行するとともに、区内の小中学校、幼稚園、保育園、宿泊施設、高齢者施設等の関係機関へ通知し、特に児童・生徒の保護者に対しては個別に通知を行い、衛生管理及び健康管理の周知徹底を図ってまいりました。また、高齢者の入所施設、障がい者の通所施設、保育園、幼稚園等につきましては、現地訪問にて
感染予防対策について指導を行い、感染者発生時においても適切に対応できるよう努めてきたところです。 併せて、これらの対応経過につきましては、議員の御指摘を踏まえ、引き続き今後の対応の検証等に生かす観点から、対策本部における対策の実施に係る記録の作成等に努めてまいります。 今般、東京都においても感染者の増加が著しく、感染状況の警戒レベルが最高レベルに引き上げられた状況下であり、清水議員御指摘の第三波の状況にある
新型コロナウイルス感染症の対策は、ますます緊急度を増してきております。さらに、
新型コロナウイルス感染症に加え、
季節性インフルエンザが同時流行した場合において、多数の発熱患者が適切に診療または検査を受けられるよう、発熱患者の診療等の対応を行う体制の整備が求められております。 区といたしましては、医師会をはじめとする関係機関や関係部署と連携を強化しながら、区民の安全を守り、不安を払拭することができるよう一層努めてまいります。 〔
総務企画部長五味智子君登壇〕
◎
総務企画部長(五味智子君) まず荒川区実施計画に関する御質問にお答えいたします。 荒川区実施計画は、平成二十九年度から令和八年度までの十年間に重点的に取り組むべき方向性を定めた荒川区基本計画を具体的に推進していくためのものであります。 基本計画の計画期間を前期、中期、後期の三期間に分けて策定することとしており、現在、令和三年度から三年間の中期の計画策定作業に着手しております。 今回の計画策定に当たっては、現下の区政を取り巻く状況を踏まえ、先般お示しした財政フレームを前提とした歳出抑制やクラウドファンディング等の新たな財源確保策をはじめ、
新型コロナウイルス感染症対策や行政のデジタル化等の視点を取り入れることが必要と考えております。現在、各部において、この考え方を踏まえた施策の検討を行い、全庁的な集約を行っているところでございます。
新型コロナウイルス感染症の収束が見えず、先行きの見通しが立ちにくい状況ではありますが、区を取り巻く社会情勢をしっかりと注視しながら、必要な施策を取りまとめ、今年度末にはこれからの時代に即した形で計画を策定できるよう、鋭意作業を進めてまいります。 次に、指定管理者制度に関する御質問にお答えいたします。 区では、平成十五年の地方自治法改正により、
民間事業者のノウハウを活用したサービスの質の向上と効率的な施設運営の両立を図るために創設された指定管理者制度について、各施設の特性や利用状況等を検討した上で順次導入してまいりました。制度導入後、これまで十五年以上が経過いたしましたが、この間、よりよい施設運営を目指し、指定管理期間の見直し、実績評価制度の充実、運営経費の透明化等運用に関する様々な改善を行ってまいりました。こうした努力の積み重ねの結果、区民サービスの向上と経費の縮減という目的をおおむね達成することができているものと考えております。 例を挙げますと、開館時間の延長や開館日の拡大等による利便性の向上、教室等の自主事業による利用者数の増加等の改善が図られております。また、修繕が発生した場合にはより迅速な対応が可能となっております。 しかしながら、御質問いただきました指定管理期間中の途中撤退や、一部の施設における赤字運営などの課題があることも事実でございます。さらに、貴重な税金を財源として指定管理料を支出していることから、指定管理業務の実施に当たっては、厳しいチェックを行う必要がございます。その結果、指定管理者の裁量に制限をかけてしまうことになるとともに、従事職員の事務量の面でも大きな負担につながっております。これらの課題につきましては、引き続き改善策を検討してまいります。 今後とも指定管理者制度をはじめ、他の運営方法を含め、民間活力を最大限活用し、利用者の視点に立った区民サービスのさらなる向上と、より効率的な施設運営に努めてまいります。 〔
教育委員会事務局教育部長三枝直樹君登壇〕
◎
教育委員会事務局教育部長(三枝直樹君) 児童・生徒の話す力の向上に関する御質問にお答えいたします。 自分の考えなどを相手に分かりやすく伝わるように話すことは、とても大切なスキルであり、
子どもたちが表現力豊かに自分の考えを的確に伝えることができるようにするためにも、日々の授業の中で感想や意見を表現する機会を設けることが重要であります。 各学校では、ビブリオバトルで本の面白さを伝える場を設定したり、自身が体験したことを発表するスピーチ学習を取り入れたり、授業の中で振り返りの時間を設け、感想を発表させたりするなど、これまでも多くの場面を設けて、
子どもたちの表現力の育成に努めてまいりました。 平成二十九年三月に文部科学省から告示されました新しい学習指導要領におきましても、育成を目指す三つの資質・能力の一つに、思考力、判断力、表現力等の育成が掲げられており、清水議員御指摘の伝える力につきましては、国語をはじめとした各教科・領域を通じて培っていくものとなっております。 第二期の学びの推進プランにつきましては、この新学習指導要領を踏まえて策定を行う予定でおります。多様な考えを認めながら、論理的に筋道を立てて整理していくような思考活動を十分に取り入れた授業のさらなる充実を図るため、表現力豊かに自分の考えを伝えられるよう発表する場を多く設定し、相手に分かりやすく表現できるよう自分の考えを整理することなどを指導してまいります。 教育委員会といたしましては、
子どもたちの話す力や伝える力の育成が十分に図られるよう、今後も指導内容の充実及び指導力の向上に引き続き努めてまいります。
○議長(
明戸真弓美君) 清水啓史議員の質問を終わります。 二十四番藤澤志光議員。 〔藤澤志光君登壇〕
◆二十四番(藤澤志光君) 自由民主の会の藤澤志光です。 荒川区の再開発事業についてお伺いをいたします。 三河島北地区再開発事業については、まず昭和四十九年にできた大規模小売店舗法は、大型スーパーの出店を届出制にして、中小小売店の保護もできるように、商業活動調整協議会の事前審査を経ることとしてきました。これにより商店街は守られ、地域コミュニティの中核としてお祭りや盆踊り等の伝統行事や地域イベントの担い手として担ってまいりました。しかしながら、平成元年に始まった日米構造協議の中で、日本市場の閉鎖性を示す象徴として大店舗法を取り上げ、規制緩和が求められました。そのため、大店舗法の規制緩和が順次進められ、遂に平成十年には大規模小売店舗立地法が作られ、平成十二年には大店舗法が廃止になりました。 全国でも大型スーパーが郊外に多くでき、中心市街地が衰退し、シャッター通り化が進み、買物難民が出るようになり、地域が疲弊してまいりました。 荒川区でも平成十年にオリンピックが東日暮里一丁目に店舗面積四千三百平米、延床面積七千平米のスーパーが出店したことにより、中心的な商店街であった仲町通り商店街などは大変大きな影響を受け、今やかつてのにぎわいをしのばす面影すらございません。 三河島北地区の再開発事業は、三河島駅前に立地していても、その商圏は仲町通り商店街に直結したものであります。 区の産業経済部においても、高齢者人口が増えてくる中で、近隣の商店街振興に力を入れ、将来、買物難民が出ないように毎年多額の予算を投じているのです。 さきに行われた建設環境委員会において示された三河島北地区再開発事業の進捗状況によると、公益施設は、体育館など一~三階約三千三百平米に対し、商業・業務施設は一~三階約一万七百平米となっており、オリンピックの延べ床面積七千平米をはるかに上回る面積となり、仲町通り商店街をはじめ、周辺商業施設に与える影響は甚大であると考えます。 JR三河島駅は利用者も少なく、隣接する南千住駅、日暮里駅前商業施設とも競合するし、西日暮里前再開発とも競合施設となります。南千住駅前に隣接する土地は、荒川区と国の元都市基盤整備公団が所有しており、三井不動産のLaLaテラス南千住をはじめ、商業施設はプロポーザルで応募のあったイオンやマルエツのスーパーや、ほかにスーパー銭湯等、数多くの企画提案の中から、三井不動産のショッピングモールを中心とした駅前の整備をしたものであります。荒川区商店街連合会の代表や地域町会の代表、近隣商店街代表の参加で決めてもらったものであります。 三河島北地区の商業施設も当然、近隣商店街に与える影響を考慮して、地域町会、周辺商店街の代表、荒川区商店街連合会の代表、地域町会の代表者を含む関係機関の代表で出店店舗や施設運営をする企業を決めるべきだと思いますが、区はどのように考えているでしょうか。お伺いいたします。 次に、西日暮里駅前再開発について伺います。 荒川区では、道灌山中学校跡地のほかに区有地の施設を生かし、サンパール荒川に代わる新区民会館建設のために、平成二十年度から株式会社INA新建築研究所に五か年、平成二十五年度から二か年、協同組合都市設計連合に委託してコンサルタント業務契約をしてきました。 平成二十六年六月には、駅前の再開発の準備組合が設立されておりますが、平成二十七年一月に西日暮里駅前再開発地区における区民会館建設可能性及び事業展開手法に関する可能性調査報告書が出されています。これに基づき平成二十九年八月に素案が提出されました。 素案には、この計画案は決定されたものではなく、現時点で許容される最大規模のフロア計画案となっていますとされ、今後、各用途の事業性や必要規模等の検討を進めていきますとありました。それに基づき、区は百九十億円の負担をしても最大地区の計画を進めていく覚悟で都市計画決定の手続を令和二年三月までに進める予定が示されていたのであります。 しかしながら、予期せぬ武漢
コロナウイルスによる感染拡大が進み、区財政の見通しも悪くなり、単独事業費負担を軽減するため、この計画による文化施設の取得を断念したわけであります。 しかしながら、当初区民財産を有効に使い、新区民会館を造るために示されたほかの縮小案の検討や、区の用地五千四百平米を利用して単独で区有施設を造るなどの検討を進めたのでしょうか。計画の変更では、そうしたことも経過としてなく、新たに七階ワンフロア四千平米だけ荒川区が取得し、八、九階のフロアを野村不動産が買って、コンベンション施設にする案を示してまいりました。 また、一~六階までの商業施設も野村不動産が買って運営する計画のようですが、安直にデベロッパーの採算だけの計画に乗って、区民に対する本来の計画を忘れるべきではないと思いますが、区はどのように考えているでしょうか。 次に、資源回収についてお伺いいたします。 今や世界中でプラスチックが問題となっております。海に流れ出し、生態系を破壊する海洋プラスチック問題は地球規模で広がっております。北極や南極でもマイクロプラスチックが観測されたという報告もあります。 さらには、CO2排出量の増加に伴う異常気象等の気候変動が地球規模で増大しており、世界が低炭素から脱酸素へシフトする中、プラスチックの資源環境についても取組が強化されてまいります。 日本においても、国をはじめ東京都もプラスチック問題について様々な計画を策定しています。本年九月に内閣総理大臣に就任した菅総理は、十月に行われた所信表明演説において、二〇五〇年、カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指すことを宣言しており、国としてもさらに取組を強化していくことが予想されます。 荒川区においては、現在、プラスチックについては、ペットボトル、食品用トレーを資源としてリサイクルしておりますが、このような状況に鑑み、その他のプラスチックについても分別回収し、リサイクルをしていくべきではないかと思いますが、その件についてお伺いをいたします。 さて、アメリカ大統領選挙の一般投票が行われてから、バイデン政権への移行報道が続いてきたマスコミの中で、十月二十九日、昨日初めてようやくヤフーでトランプの勝利の可能性の報道を目にすることができました。マスコミでは報道がありませんが、既にバイデン陣営の不正選挙については、ミシガン州最高裁判所で州職員による集票ではなく、第三者機関を設置して再集票をするよう勧告されております。 また、全米二十八州でドミニオン社の不正ソフトを使用して、中国、イラン、ベネズエラ等がインターネットにつながって大規模不正選挙をしていた可能性が取り沙汰されております。既にウィスコンシン州では十五万票の不正投票が特定されております。 バージニア州では、州知事と選挙を取り仕切る州務長官が中国共産党に買収され、ドミニオン社の不正ソフトを導入していたとのことで、元連邦検事で米軍弁護士であるシドニー・パウエル弁護士から告訴されております。等々で来年一月六日の開票までは少なくともアメリカ大統領が決まらないのではないかと思われるわけであります。 私は、トランプ大統領の再選の可能性があるのではないかと考えております。現職大統領が敗北宣言を出す前に、アメリカの歴史上かつてなかったプレジデント・エレクト・オフィスを構え、政権があたかも決まったように振舞っているバイデン氏をマスコミが報道しておりますが、既にバイデン氏は、次男のハンター・バイデン氏を通じ中国共産党から買収されたり、ハニートラップの接待を受けて首根っこを中国共産党に押さえられているとのスキャンダルも、全米第四の新聞でありますニューヨーク・ポストに掲載されておりまして、事実とすれば、中国共産党の言いなりになり、世界の覇権を中国に握られ、米中の結託の中で日本は翻弄されることになるのではないかと思います。 十月十五日にASEANのテレビ会議でRCEPが締結されました。十一月二十四日に来日した中国の王毅外交部長と茂木外相が会談を行い、その際の記者会見では、王毅さんは、魚釣島のことを釣魚島と中国では言うわけですが、中国の固有の領土であると堂々とうそをつき、釣魚島周辺の敏感な水域に日本の漁船が間違って入ってきたら、引き続き自国の主権を守っていくために、やむを得ず非情な反応をしなくてはならないと述べ、武力行使も避けないと……
○議長(
明戸真弓美君) 発言中ではありますが、藤澤議員に申し上げます。 会議規則第五十三条第一項で発言は範囲を超えてはならないとなっています。ただいまの発言は質問通告の範囲を超えておりますので、質問通告の範囲内での御発言をお願いいたします。
◆二十四番(藤澤志光君) と発言をしておりましてはならないと述べ、茂木外務大臣が尖閣諸島に適切な対応を求めたにもかかわらず、中国の権益を守るために強く反論するような状態であります。 バイデン政権への移行を前提として、王毅さんは強く自国の主張をしたものかと思われます。 RCEPの推進も、中国は国際社会との分断を平気で反故にする国です。今後、中国に手玉に取られて、日本は衰退の一途をたどるのではないかと心配です。
○議長(
明戸真弓美君) 発言中ではありますが、再度藤澤議員に申し上げます。 質問通告の範囲内で発言を行うよう御注意申し上げます。
◆二十四番(藤澤志光君) また、武漢
コロナ感染者は、昨日二十九日までに四日連続二千人を超え、全国の重症者も十六人増え、四百六十二人に達し、過去最多を更新、二週間前からほぼ倍に増えております。こうした大きな変化は、区民の生活に今までの状態に戻ることは今後も回復が行われてもあり得ないと考えられます。
○議長(
明戸真弓美君) 藤澤議員に申し上げます。 先ほどから注意いたしましたが、発言が一般質問の通告の範囲を超えていますので、会議規則第五十三条第二項の規定に基づき、発言を禁止いたします。
◆二十四番(藤澤志光君) 区政も今までの延長線上では進めないと思います。パラダイムが大きくシフトする予定であります。難しい時代でありますが、五期目の西川区長には、新たな認識を持ち、区政運営を行ってほしいと思っております。 以上で一般質問を終わります。 〔再
開発担当部長松崎保昌君登壇〕
◎再
開発担当部長(松崎保昌君) 三河島駅前北地区再開発に関する御質問にお答えいたします。 三河島駅前北地区では、平成十六年六月に準備組合が設立され、それ以降様々な検討を進めてまいりましたが、コンサルタントや事業協力者の一部撤退等、事業計画を進められない時期が長らく続いておりました。 そのため、区では、平成二十九年二月に西日暮里一丁目まちづくり構想を策定いたしました。構想では、三河島駅前北地区を重点整備地区として位置づけ、防災性の向上とにぎわいのあるまちづくりを推進していくこととしております。商業施設につきましては、周辺地域への波及的な効果を含む活力とにぎわいが創出でき、地域住民にとっても暮らしやすさが向上する施設の充実を目指すこととしております。 このような動きと並行し、準備組合では新たな事業協力者などの選定を進め、平成三十年度に現在の事業協力体制が整ってからは、事業計画の検討を行い、計画の方向性が固まってきたところでございます。 商業・業務の業種につきましては、都市計画決定前の現時点においては、進出企業者の意向確認段階ですが、事業協力者は、本計画の立案に際し、商圏や賃料、店舗面積の検討を行っており、事業は成り立つものと認識しております。 御質問の南千住の商業施設と同様の手法で出店者を選定することにつきましては、南千住の場合、敷地を所有している区とURが賃借人を決定するために選定委員会を設置したものでございます。 一方、本再開発事業では、区の所有する権利は体育施設に変換する計画であり、区は商業床を所有しないため、本事業の手続の中では、そのような手法を行うことは困難と考えております。しかしながら、今後詳細な検討を進めていく際には、関係部署と連携し、地域の御意見も丁寧にお聞きすることが不可欠であると考えております。 区といたしましては、商業・業務施設の集客や新たな居住者により近隣店舗への人の流れが生まれることで、地域の活性化にも寄与することを期待しており、地域のにぎわいづくりと地域住民の生活利便性の向上に向けて、引き続き準備組合とともに事業を推進してまいります。 次に、西日暮里駅前地区の再開発事業に関する御質問にお答えいたします。 当地区の再開発につきましては、平成二十六年に再開発準備組合へと移行し、現在に至っております。それに並行して、区の現有資産に関して、その活用方法を庁内で検討してまいりました。 本地区は、西日暮里駅周辺地域まちづくり構想においては、文化交流拠点として魅力的かつ多様な都市機能を導入することで良好な都市環境の創出、利便性の向上及び駅前にふさわしいにぎわいづくりを目指すこととしております。 本地区の再開発事業の目的としては、都市基盤施設の整備や商業、公益施設、文化施設及び住宅といった多様な都市機能の整備により複合市街地を形成し、活力を生み出すことであります。 その実現に向けた方策の一つとして、区の資産を活用した新たなホール整備を検討してまいりましたが、経費縮減策及び
民間事業者によるホールの取得について検討を行ってまいりました。その結果、
民間事業者による取得は見込めず、一定の経費縮減のめどは立ったものの、依然として相当額の歳出を要するという結論に至りました。さらに、
新型コロナウイルスの感染拡大により、区財政はリーマンショック以上の影響を受ける可能性が生じ、区によるホールの取得を断念したものであります。 御質問の平成二十七年一月にまとめられた区民会館建設可能性調査により報告された他の案の検討につきましては、一定規模以上の財源が必要となることや、区内外から集客するというホールの当初目的が達成できないことから、現実的ではないものと考えております。また、単独で区有施設を造ることにつきましては、都市基盤の整備やにぎわいの創出を図るという本再開発事業の目的を達成することができません。 こうしたことから、区では、現行の形で事業を進めるべきと考えており、当地区の目指すべき都市像である文化交流拠点としての位置づけは変わるものではなく、その実現に向け、現在、代替案の取りまとめを行っております。 具体的には、
民間事業者によりイベントやコンサート等、多目的に活用できるコンベンション施設の整備と、区が権利変換により取得する部分に文化交流施設を整備することを計画しております。 以上申し上げましたとおり、本再開発事業は、駅前の基盤整備と地域の活性化、さらには日常的に芸術文化に触れられる拠点づくりを目指すものであります。この再開発を成立させるためには、民間企業の力が必要ではありますが、デベロッパーの採算を第一に考え、事業を進めていくものではありません。 区といたしましては、区民の皆様に喜ばれる再開発の早期実現に向け、引き続き準備組合と連携して取り組んでまいります。 〔
環境清掃部長池田洋子君登壇〕
◎
環境清掃部長(池田洋子君) プラスチックの製品の分別回収に関する御質問にお答えいたします。 プラスチックは暮らしに大変身近な素材ですが、プラスチックによる海洋汚染は世界的な問題となっております。 国は、本年七月、プラスチック製の容器包装と製品をプラスチック資源として分別し回収する素案を提起しました。 二十三区においては、各区共通の方針としてプラスチックのリサイクルに積極的に取り組むことを確認しており、代替素材の開発費を含む広範な助成制度等について、国や都に要望しているところです。 区においても、レジ袋削減に向けたマイバッグ利用キャンペーンのほか、ペットボトルや食品トレーの集団回収においては、十六年連続で二十三区一位となっております。とりわけ集団回収のペットボトルについては、一〇〇パーセントペットボトルとして再生利用されており、水平リサイクルのお手本とも言える質の高いリサイクルを展開しています。加えて、区役所では、各種啓発物品等の脱プラスチック化など率先した取組を進めています。 しかしながら、持続可能な循環社会の構築にはさらなるリデュースの推進が重要なことから、引き続きごみの排出抑制について啓発を強化してまいります。 こうした取組を行ってもなお排出されてしまうプラスチックのリサイクルについては、区民生活への影響はもとより、実施体制や事業の経費等の課題を整理する必要があると考えております。 現在、
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、使い捨て容器の需要は高まっており、こうした中、区といたしましては、リサイクルの先進自治体としての気概を持ち、プラスチックの分別回収を着実に進めるためにも、議会や区民の皆様に御意見をいただきながら、回収品目も含め、どのような方策が有効かについて、まずは調査に着手したいと考えております。
○議長(
明戸真弓美君) 藤澤議員の質問を終わります。 以上をもちまして、本日の日程は全部終了いたします。 お諮りいたします。本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
明戸真弓美君) 異議ないものと認め、そのように決定いたします。 次回の本会議は、明日十二月一日午前十時から再開いたします。 本日はこれをもって散会いたします。誠にお疲れさまでございました。 午後二時四十分散会...